My everyday life from Yeosu/여수/麗水, Korea.


2016/11/06

俺の彼女



ポカポカの日曜日。少しだけ冷ましたお湯と、粗く挽いたコーヒー豆で朝の一杯。外から流れてくる風があまりにものどかなので、この国で「外国人」として「きちんと」生きるために必要な「努力」を、この際すべて全部放棄したくなります


さて、先週もそして今週も、週末はヨスを離れて別の場所で過ごしました。そしてそれぞれの場所でドンちゃんのお友達にも会いました。ソウルでは大学時代の、今週訪れたトンヨン(統営)では高校時代の友達に。

大学卒業後は大手企業に就職しバリバリ働いている友人たち。共通の悩みは、やはりと言うべきか、彼女との将来について。

1人は「今の彼女と結婚したいし、結婚するつもりだ。でも彼女はそこまで焦っていない。なので、もう少し待たなければなさそうだ」というもの。これに関しては「そうかい、それは何より、ま、焦るなよ」な感想を持っただけだったのですが、もう1人の方の友人が印象的だった。

彼は「漠然と」今の彼女と結婚するのかなと思っていたが、あることがキッカケとなって、彼女との結婚に対して少し否定的に考えるようになってしまったらしい

あるキッカケとは「家」について二人で話していた時、彼女が「結婚したら、なるべく広い家に住みたい」という発言をしたこと。これで彼は気持ちが少し冷めてしまったんだそう。

彼の気持ちもよくわかる気がする。「収入的に広い家を買うことは不可能じゃないけれど、でも、大事なことはそこじゃないだろう」という気持ちと、「君も結局、そうゆう女なのか」という失望感だったんだなと、予想が簡単につきます。

で、彼女の方を考えた時に、真っ先に思ったのは、日本だったらおそらく「叩かれるような発言」を、彼女はしてしまったのではないか、ということ。そんなこと言うから、結婚から遠ざかるんだよって。ここはぐっと我慢して「あなたと一緒ならどんな家でも構わない」ぐらい言っておけば、良かったのにって。

ってここまで思ったんだけど、待てよ、、、この考え方は危険だと、自己防衛警報が私の頭のな中で発動。

というのも、日本も韓国も、めんどくさい女と思われないように男性の顔色を伺う女性いい女のである、という認識があるな、と思うのです。最近特に。私は個人的にこういう考え方嫌いだから、気を付けないと、最近思っていたんだけど、、、自分自身も無意識のうちにこの考え方に侵されていたということに気づきました。あー、危なかった。

彼女の立場を考えた時に、彼女は正直に自分の気持ちを言っただけなんだよなという側面もみなければ。それは、結婚したら1年に1回ぐらいは海外旅行に行きたい、という願望と同じもので、広い家に住むことは彼女の価値観に基づいたものであるはずそれを正直に意思表示しただけのこと。

「広い家に住みたいこの発言を正直にしたことで壊れてしまう関係ならば、結婚なんてそもそも無理でしょう。彼も本当に彼女のことが好きならば「今すぐには無理だけど、いつか広い家に住もうね」ぐらい言えるはず。ドン引きしてしまったのは、彼がそこまで彼女のことが好きではなかっただけだし、彼女もそんな彼に固執する必要はないんじゃないって、外野である私とドンちゃんは思ったのでした。

男女関係なく、恋愛する上で、相手の顔色を伺うことって辛くて切ないことだと思う。もちろん相手を配慮することはとっても大事。でも配慮と顔色を伺うって全然違うと思う。前者は平等な関係性の中にあって、後者は権力構造の中にあるから。

宇多田ヒカルの新しいアルバムの中に「俺の彼女」という曲があって、これはこうゆう状況を痛烈に批判している歌ではないかと、最近思いました。関係を持続させるために相手の顔を伺い自分を繕って、結果、人間と人間として本当に繋がる部分に到達できないカップルを歌った曲。ものすごく切ないんだよね。切なくて哀しい。


ドンちゃんの友達の彼女について、以上のことを考えながら、宇多田ヒカルを聞く日曜日。


写真は最近壁に貼ったフリーダカーロ。寒くなったら、間接照明をバッと受けるところに貼るんだと、ずっと考えていました。





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2 件のコメント:

  1. やほ〜。スカイプした時は彼氏との関係に悲観的になってたんだけど、その後持ち直したよー。というのも、まさにスカイプを切った後ちょうど詩菜ちゃんがこの記事で言ってるみたいなことを私も考えて。私もめんどくさい女と思われたらやだな、とかすごい思う一方で、相手の顔色うかがって自分を抑えることは違うよな、とか色々考えた。本当はめんどくさいと思われたくないというよりも、“めんどくさい女から程遠い余裕ある大人な私”という自己規定に囚われてるだけなんだけど。笑 で、どっちも不正解って結論に至って、一番大事なことは何かを間違えないように自分の気持ちと考え整理して、彼に伝えて前より仲良くなった(のろけ)
    自分が本当に望んでいることって自分でも間違えちゃう時があるよね。特に恋人とのことになると、相手と共に過ごす時間や空間みたいな外的枠組みを整えることで理想を描きがちだなって思う。でもお互いに本当に望んでいるものはそういう可視的な外的枠組みではなく、相手との関係性の中にこそあるんだよね。きっと。
    多分ドンちゃんの友達の彼女は、彼と暮らす生活空間を妄想した時に広くて素敵なおうちを思い浮かべたんだろうね。そこで一番大事なのは彼と仲良く楽しく笑って暮らすことであって、お家の広さはオプション的なものだったはずなんだろうと思う。本当はお家の広さなんてそこまで大事じゃなかったんじゃないかなぁ・・と思いたい。いやもしかしたら本当に広いうちに住みたかっただけかもしれないけど。
    しかし俺の彼女、なぜフランス語?笑

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    1. あいちゃんー!そうだったんだね、それは良かった!もっと惚気てもいいよー、ていうか惚気話聞きたい!パンが美味しいお店で朝ごはんの件、大好き。それだけの場面のために短編小説書きたいぐらいだよ。でも、あいちゃんがそういう自己規定に囚われるというのが意外だったかも。どちらかというと、彼の方がそういうタイプなのかなって思ってた。あいちゃんはいつでもオープン!ってどっしりしている感じだったから。
      自分が本当に望んでいることを「間違える」、そうだね、確かにあるね、その通りだね!あいちゃんの言う通り、本当に望んでいることが自分と彼を取り囲む外的な枠組みや物質的なものではなく、そこにいる二人の関係性なのかもしれない!(そう考えることができるあいちゃんってやっぱり優しさがあるよね、人に。多様性のある社会に関わっているあいちゃんはやはり違うな、と思った)そうだったら良いなぁ。たしかに、そうではないかもしれないけどさ。でも、望んでいることをまずは相手に正直に言ってさ、それが「間違っている」のかどうかを相手と一緒に考えていければ一番いいよね。本人もわかってないかもしれないし。で、たぶんドンちゃんの友達は、そうゆう余裕がないタイプだと思うんだよね。バッサリ切る、みたいな。器が小さい男、ワタシハキライダヨ(笑)

      あ!フランス語だったんだ!何語なんだろーってずっと思ってたの!たぶん、活動休止期間にフランス語勉強したんじゃないのかな?語学をしてたって言ってたから。宇多田ヒカルの新盤、どれもいいよー!彼女は自分の存在根拠を自分の無意識の中にある母との記憶に見出せて、救われたんだなって思える曲がたくさんある。ラディカルなブッティストとしては(爆)自己の存在根拠を無意識の中に求めるなんて!けっ!って思うけれど、彼女が救われる姿はやはり良いね。おすすめー!

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