My everyday life from Yeosu/여수/麗水, Korea.


2018/03/29

どちらの国も好き



社宅の桜が咲き始めた今週。お散歩しに出ても目につくのは、レンギョウの花の黄色だったり、山ツツジの藤紫色だったり!カラフルな季節の到来です。

さて、日本に帰省する時の話なのですが、羽田ヘ向かう飛行機の搭乗を待っていた時、韓国人の60代ぐらいのおばさんに話かけられました。

とっても流暢な日本語で話かけてくれたので話もはずみ、妊娠出産後初めて日本に帰るんですって言ったら、

それはあなた帰りたくてたまらなかったでしょう。よく我慢したわね。偉かったわね。と言ってくれました。

私はあなたとは逆で、日本で出産したの。出産後はしばらく帰れなくて、やっと子供を連れて韓国に帰省するとき、飛行機がとびたつときに、ああ帰れるんだって涙が出てきたのよ。だからあなたの気持ち分かるのよ。

と。さらに、

でもね、今は韓国に来てもすぐに日本に帰りたくなっちゃうようになったわ。やはり自分の家が一番じゃない。あなたもきっといつかそう思える時が来るから、それまで我慢しててね。

と、重みのある、同時に耳が痛く、そしてとっても現実的な言葉が。おばさんのこの言葉の中には一抹の寂しさと切なさがあるけれど、きっと、私そうなるんだろうなって聞きながら思いました。

どちらの国もすごく好き。日本にいても韓国にいてもどっちにいても幸せを感じることできるし、将来どっちに住んでも良いけれど、自分が家族と思い出を作り上げて行く場所、将来自立した息子をいつでも迎えることができる場所が私の家。

近い将来、日本に帰省したとき落ち着かない気持ちになり、韓国に帰った時に落ち着くようになったとしても、空港で出会ったおばさんのように自然にそれを受け入れようと思います。



日本では短かい期間だったので、ゆっくりショッピングはできなかったけど、欲しかった本も買えました。

高いけど思いきって買った学術書と、息子の絵本。息子の子守唄が八郎なので、滝平二郎の木版画が美しく秋田の民話である八郎の絵本を。

ストーリーそのものも楽しめるし、息子が大きくなったら、宗教や科学がなかった時代どのように人は自然と対峙してきたのかという民俗学視点からも一緒に考えられそうだし、実際秋田にいってみるという郷土学やフィールドワーク的にも活用できるし、日本語の方言に触れる機会にもなるし、なかなか良さそうです。地方の民話の絵本、集めたいなあ。

って息子はまだストーリーさえ楽しめないので、まだまだ先の話。母がこっそり読んで涙してます。


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2018/03/25

96歳差



先週末ソウルで、ドンちゃんのお祖父さんと息子がとうとう対面。ひいおじいちゃんとひ孫。なんと96歳差。2人が見つめ合う様子を見て、なんとも言えない気持ちがこみ上げてきました。


私は父方の祖父に会ったことがありません。父が大学生の時に祖父は亡くなってしまったからです。なので、物心ついた時から、祖父ってどんな人だったんだろうと考えてました。特にサルマンラシュディに感化され、自分のルーツを真剣に考えるようになった大学生以降は、写真でしか会ったことのないひどく祖父に会いたくて、会えたら自分の中にある欠けている何かが補える気さえしていました。

息子が生まれてからは会いたいという気持ち以上に、息子を抱っこしてもらいたかったという気持ちが不思議と強くなっていました

今回、どんちゃんのお祖父さんに息子を抱っこしてもらった時、それはそれは大事そうに息子に頬擦りをしてくれて、幸せそうに息子を見つめてくれたお祖父さん。そんな姿をみて、もうなんか、ひたすらに泣けてきました。自分の祖父にどうしても会いたかった気持ちや、息子を会わせたかった気持ちが成仏された気がしました。

きっと、祖父が生きていたら、同じように息子のことを幸せそうに抱っこしてくれているんだなって、感じることができたから。こんな風に喜んでくれたんだろうなって。父方の祖父も、私が大学生のときに亡くなった母方の祖父も、ひ孫は抱けなかったけれど、代わりにどんちゃんのお祖父さんが抱いてくれたんだなって。どんちゃんの母方のお祖父さんの分も。

日本と韓国、四人のひいおじいちゃんの要素が全て混ざっている息子。不思議だけど、息子を通して祖父に会えた気もします


ちなみに週末にソウルに行ったのは、ドン姉の結婚式があったから(今更なのは、色々とわけあり)

息子にとっては初めての飛行機でキンポに向かうはずが、チェックイン後になんと欠航。急いでKTXを予約しタクシーで駅ヘ。ギリギリで乗って3時間半、無事にソウルに到着しました。日本大使館で申請していた息子の日本パスポートもゲット。

せっかくソウルに来たんだから、という理由で日本にも帰省。来月に長めに帰るので、今回は4日間だけ。初めての飛行機は本当に緊張したけれど、やはり乗ってみて色々と分かることもあって、何よりも経験するのが一番だと悟りました

2018/03/13

春が旬の



ウールのコートをクリーニングに出すのはまだ早いけれど、少しずつ春めいてきたヨス。

先週末は息子に海を見せたくて、ランチのついでに海辺の遊歩道をお散歩。暖かな陽射しを浴び麗らかな優しい青色を帯びた海は、まさに春の色。肝心の息子はベビーカーでスヤスヤとねんねしてたけど、ドンちゃんとたっぷり会話を堪能してリフレッシュしました

写真はその帰り道、魚屋さんで買った今が旬のアサリ。蛤かと思うぐらい大きくてびっくりしてたら、「養殖じゃなくてヨスの海で採れた自然産だよ」と、お店の人が説明してくれた。一掬いたっぷり買って、500円ちょっと。とっても安い。




そう言えば、去年の春も同じお店であさりを買ったことを思い出した。あの時は悪阻が酷くて、でも何か栄養のあるものを食べなくては!と思い買いに行ったんだった。作った料理はクラムチャウダー。あさりをさっと茹でて、茹で汁はそのまま出汁にして、殻から身を取って、手間暇をかけたのはお腹の胎児と自分のためだった。今回は簡単に酒蒸しで食べたけど、でも、身がプリプリで歯ごたえがあって美味しかった。

来年の春も三人であさりを買いに行くのかな。その時、息子はきっと歩いていて、もしかしたらあさりを食べているかもしれない。そう考えると今年の春は、自力では移動できず抱っこばかりの息子と過ごす最初で最後の春。

今日も春を探しに息子とベビーカーでお散歩しよう。




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2018/03/06

風習と生活



土曜日は市場に用事があったので、その近くにあるドンちゃんおすすめの食堂でランチ。そこで食べた豚の背肉が骨ごと入ったスープである뼈다귀해장국。ドンちゃん曰く、テンジャン(韓国の味噌)で臭みをとるところが光州流らしい




熱々のスープをホフホフしながらドンちゃんと食べていると、お店の人が落花生を持ってきてくれた。この日は陰暦の小正月。韓国ではどうやら豊作祈願として落花生や五穀米を食べるらしい。

そうか、今日は五穀米を食べる日だったのか、ならば家でも準備しようかなと思いながらランチ後市場へ。お餅屋さんに用があったのだけど、そこで真っ先に目に付いたのが小正月用に炊かれた五穀米のパック。美味しそうだったので小さいサイズをお買い上げ。同じ市場にある他のお餅屋さんも同様、今日のために五穀米を炊いて売ってた。



その他、八百屋さんや果物屋さんでも落花生がドーンと売られていたし、お惣菜屋さんでは五穀のみが盛られたバケツが。久しぶりにワクワクしながら市場を巡り、そんな光景を見るのが非常に楽しく感じた。

思えば、自分は異文化の文化や風習が、こんな風に自分の身近な生活の中で垣間見れる瞬間がすごく好きだったことに改めて気づいた。旧正月前のスーパーのギフトコーナーとか、入学シーズン学校前に群がるお花屋さんのリアカーとか。季節と風習と生活がギュッと詰まったその空間を発見し身を置いてみることが、海外で暮らすことの醍醐味であることを忘れてた。

妊娠出産を経て、随分その感覚から離れてしまい、更に韓国で育児ということに集中していた最近。韓国で生活するということにもう少し意識を持って、せっかくだからもっともっと楽しんで行きたい。



五穀米、もち米や栗も入ってて美味しかった。ドンちゃんの家では海苔で食べるらしく、それもまた美味しかった。赤飯にごま塩をかける感じ。



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