My everyday life from Yeosu/여수/麗水, Korea.


2016/01/29

世界はみんな私の為




カフェで手帳を開いたら、記憶をギュンとさせる懐かしい匂いがした。すぐには思い出すことができなくて、その香りを嗅ぎながら、紙芝居をめくるように記憶の中の一つの場面を探していく。めくる指が止まり、記憶が蘇る。そうだ、古本の匂い。正確には古本屋で買ってきた漫画の匂い。自分の家のとは違う、どこかの誰かの家の匂い。匂い自体は好きでも嫌いでもなかったけれど、よく古本屋で漫画を買って、家族で夕食を食べた後に部屋に戻り買ってきた漫画を読むことが好きだったから、記憶にすごく残っている。読みふけって、お風呂に入るのが遅くなっちゃうんだった。

なぜ私の手帳がその匂いと同じなのか、もしくは、その記憶とリンクさせる匂いなのか、そのわけはよくわからないけれど、それは古本屋で買った漫画の中で好きだった漫画を自動的に思い出す結果になった。

斎藤倫の「世界はみんなボクの為」、主人公の名前もおぼろげだけど、一番好きだった。自己中心的で自分勝手な主人公(男)が、その性格ゆえに自分で自分に苦しむんだけど、最終的にはそこを乗り越えていく物語だった気がする。偶然にも、「中途半端な自分を受け入れるしか、人生を生きる術はない」という言葉に触れ、ゴーンと衝撃を受けた直後だったから、上手くいかないその訳は自分勝手な自分にあるということを知って絶望して、でもそんな自分を受け入れていきながら、人に優しくなっていく漫画の主人公がなんだか恋しくなった。あの時よりもずっと私は主人公に共感できる気がする。

さて、話は全然変わってしまいますが。。。写真は2人お気に入りに백반집で出されるおかずの一つである卵焼き。백반집とは韓国でいう定食屋さんなんだけど、とっても庶民的で、タクシードライバーのおじさんたちが一人でご飯を食べている、そんなイメージ。

キムチチゲとか定番のメニューを頼むとたくさんおかずが出てきます。卵焼きはその一部。家から歩いて15分のところにこのお店があるので、休日のランチにお散歩も兼ねて二人でよく行きます。お店には家族連れもいれば、若いカップルもいて、いつも人で賑わっています。そこで働くおばちゃんたちも気前が良くチャキチャキしてて好き。おぼんに載ったおかず達を私も一緒にテーブルに移すのを手伝ったら「이뻐 이뻐 넘 이뻐」と褒めてくれました。



この日はキムチチゲと뼈다귀해장국(豚の背肉入りスープ)を頼みました。ものすごく寒い日だったので、熱々のフライパンを濡れ布巾の上に乗せたときのような、熱々がジョワっと身体に染み込んでいく感じがして、美味しいの上の美味しいだった。幸せ。

このお店、私もだけど、ドンちゃんもお気に入り。それはやっぱりこの卵焼きが出てくるから。中身がギュッと詰まっているのをみるとおそらく卵4つは使っている気がする。そこに人参とネギのみじん切りが入っていて、で、それだけ。それだけなんだけど、それが素朴で美味しい。普段、キムチすら食べない、韓国料理に執着しないドンちゃんが、食べながら고향집의맛って言ってたのが印象的だった。日本語に訳すと、故郷の家の味、でもこれは比喩表現。要は懐かしい味だってこと。

普段家では私が食べたいものを作っているから、エスニックだったりイタリアンだったり和食だったりで、韓国料理はあまり登場してないことに、少し反省。まさに、世界はみんな私の為、私は自分中心で世界が回っていると思っている節があるからな。

ドンちゃん、ごめんね、週末にまた食べに行こう。ふふ。




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2016/01/27

くつした




社宅のジムへ走りに行こうと、タンスの中から靴下を取り出そうとしたら、あれ?

靴下が見慣れない方法で畳まれていた。四角形でピッチリと。

ドンちゃんが畳んでくれんだと、すぐわかった。ま、二人暮らしだから私以外は自動的にドンちゃんなんだけど。

ドンちゃんは下着もこの靴下と同じように中に入れ込んで畳みます。この畳み方、軍隊式。軍役に就ていた時に習ったもので、日常でもそうしてしまうぐらいに、身に染み込んでしまったみたい。


私の靴下をかなり丁寧に畳んでくれていたドンちゃんのその行為に、愛を感じてほっこり。そういえば、私の洗濯物を畳みながら、マイベイビーが着ていると思ったらどれも愛らしい、と言ってたなーと思い出し、またほっこり。





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2016/01/25

風は化石




日曜日の朝は、先に起きて洗濯機を回そうとしていたドンちゃんから「マイベイビー、大事件だ!洗濯機の水道管が凍ってる!」って声で起こされた。

まさかと思い確認してみると、たしかにガチガチに凍っていた。叩いたらそのままポロポロって崩れそうな感じ。びっくり。しょうがないので、お風呂にお湯をため、それをせっせと洗濯機に運んだ。もちろん、ドンちゃんが。

我が家の洗濯機の水道管を凍らせるぐらいの大寒波。ヨスはマイナスになるけれど日中は0度ぐらいまでは上がるのが普通なのに、この日は太陽が出てもずっと外はマイナス7度、体感温度はマイナス14度。こっちに来てこんなに寒いのは初めて。

寒いからおうちに籠っていようって思っていたけれど、いてもたってもいられなくて、二人でお散歩にでかけた。とにかくたくさん着込んで。私は起毛タイツに分厚い靴下を重ね、ドンちゃんはヒートテックの股引を仕込んで。

外に散歩に出かけた訳はドンちゃんがしてくれた話がきっかけ


この寒波は北極の氷が溶けたことに因る。つまり、この寒波は北極から来たんだという


北極から来たということは、北極にいる生き物たちが吸って吐いた息も混じっているということである。北極圏にいる白くまたちの呼吸が、外の冷たい風の中に溶け込んでいるということ。なんてロマンチックなんだろう。それを考えたら、ドンちゃんと一緒に外に出て、マイナス7度の空気を吸い込みたくなった

ドンちゃんにその話をしたら「マイベイビー、それは素敵だね」と同意してくれて、一緒に散歩に出てくれた。

一緒に海沿いを歩きながら、ビュンビュンと嬉しそうに唸っている風を顔で浴びながら、決して会うことのない、暗い闇で隔たっている、でも同じ時間を確かに生きている白くまと私が、風を通して繋がっているんだなーって思った。そう思うと涙が出てくるぐらいに感動で心がいっぱいになった。

同時に星野道夫さんを思った。

小学生の時に読んだ星野さんのイニュニックに書かれていた言葉たち。


いつか読んだ本(ものがたり交響 谷川雁)にこんなことが書かれていた。
すべての物質は化石であり、その昔は一度きりの昔ではない。
いきものとは息をつくるもの、風をつくるものだ。
太古からいきもののつくった風をすべて集めている図書館が地球をとりまく大気だ。
風がすっぽり体をつつむ時、それは古い物語が吹いてきたのだと思えばいい。
風こそは信じがたいほどやわらかい、真の化石なのだ。


小学生の頃にこの言葉を読んで以来、風の中に、古代の人々の息吹が含まれているんだという時間的な繋がりと地球規模を包む大気であるという空間的な繋がり、その両方を感じるようになった。それは私を励まし、日々を少し豊かにしてくれる。

高校時代の親友がスペインへ交換留学に行ってしまった後、風に吹かれるたびに、彼女と繋がっていると思うことで、寂しさが慰められた。ドンちゃんと遠距離恋愛をしている時もそう。会いたくてたまらない気持ちも、風を浴びればなんとなく落ち着いていた気がする。

今回の寒波の中に、北極で生きる白くまたちの息吹を感じることができたのも、星野さんの本が底にあるから。

散歩から帰ってきたら、真っ先にイニュニックを本棚から引っ張り出して、温かくした部屋でページをめくった。その日、夕ご飯を作るのを忘れて読みふけってしまった





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2016/01/23

毎朝のお茶



休日の朝はドンちゃんがいるので、おうちの中がいつもよりもあたたかい気がする。平日ドンちゃんが出勤した後の朝は、シーンと肌寒い。氷の上を裸足で歩く感じがする。でもドンちゃんがいる朝は、お風呂に浸かっている心地よさ。おそらく、それは彼の体温という物理的なものでもあるし、彼の存在という精神的なものでもある気がする。

私の朝は平日と休日とでは起きる時間が違う。休日はドンちゃんの横で二度寝するのが何よりも至福だから、朝の光が濃厚になる時間までベットにいたりする。でも、もぞもぞと起きたら後の行動は平日も休日も一緒。お湯を沸かしてコーヒーを入れるのが定番。最近はお茶を煮出している。





韓国の家庭で定番のお茶、コーン茶と麦茶。どちらも、乾燥させて炒ってあるもの。ドンママが朝に煮出して作ってくれた熱々の麦茶の味が忘れられなくて、我が家でも毎朝せっせとお茶を煮出す生活を始めた。





韓国では普段から韓方茶をお家で煮出して飲む習慣があるので、茶漉しがついたやかんが色々と売られている。ちなみに、コーン茶も麦茶も韓方茶の括り。我が家は二人家族なので1日2リットル煮出して飲む。水2リットルに対し、50グラムぐらいを使う。50グラム全てをコーン茶、麦茶にする場合もあるが、半々にして穀米茶として飲む場合もある。





作り方は茶漉しを水から入れて沸騰したら火を止めて10分蒸すだけ。冬の台所は寒いので、沸かしている間は火のそばで暖を取っている感じがして好き。蒸気がもくもくと出ているのを眺めるのも、山小屋にいる感じがしてワクワクする。

やかんはお茶生活を始めるにあたって、新調したもの。イタリアのSTOVMON。お鍋とかは日本で買ったほうが安いから日本でも探してみたけれど、全くなかった。韓方茶を飲む習慣がある韓国だから輸入され売られているものなのかな。コンパクトで茶漉しも細かくてお気に入り。

毎朝1人で飲む熱々のお茶も、休日はドンちゃんと一緒に飲めるから幸せ。





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2016/01/21

たくましさ



窓を開けて吸い込んだ空気が肺を凍らせるぐらい冷たくて、家を出るのが億劫になった朝。

外はこんなに寒いのだから皆家に引きこもっているんじゃないか?と思いつつ、家を出てバスターミナルに向かいながら街を通り過ぎれば、学校に向かうも学生も、市場で準備をしているおばあさんも、タクシーの運転手も、皆いつも通りに外に出て動いていた。寒いからって日々の生活を変えることはできないということは当たり前なんだけど、でも寒い空の下動く人たちを見て、人間ってたくましいなって思いが生まれた。生命力があるというか。

たくましいといえば、弟の幼い頃からの友人。

彼は若いながらも奥さんと2人の子供がいる一家の大黒柱。高校卒業後に働き始めた町工場は不況のために、仕事量が減ってしまった。残業や休日出勤をすることで稼いでいたこともあり、それは彼にとって家族にとって大きな打撃になった。この状況を打破するために、彼は知り合いの伝手を使って関西の方で新しい仕事を探し出した。新しい仕事は一家をなんとか養えるらしい、この冬から彼は家族とともに関西に移住する。

弟の小さい頃からの友人なので、当然私も彼を小さい頃から見ている。あんな小さかった彼が今や2人のパパで、しっかりと奥さんを支えながら育児もして、さらに家族のために親戚も頼れる人もいない土地に移る決意をしたということに、私は感動を通り越して尊敬の念を抱いた。立派だなって心底思う。家族を守るために生きる彼はたくましい。そして、自分の夢だの目標だのとか言っている自分が小さくて甘っちょろく感じた

寒い寒い昨日は、用事があったので久しぶりに大学院に行った。行く前はその用事をこなすことがすごく億劫で緊張もしたんだけど、いざやってみるとスムーズに物事が進んで、終わった後は気分もスッキリ。清々しい気持ちで一人で温かいうどんをすすり、本を読みながらコーヒーを飲んで、陶芸しに向かった。やはり、やらねばならぬことはさっさと片付けてしまった方がいいな。

家に着いたのは遅かったので、ドンちゃんと二人で夕食の準備をした。ドンちゃんが刻んだ玉ねぎを私が炒め、横では引き続き包丁を握りウインナーをドンちゃんが刻んでいく。卵をとくドンちゃんの横で、私がアボガドとトマトを洗う。というように、二人でくるくると台所で踊るように料理しているみたいだった

食後にもう一度たくましい人について考えてみる。例として前述の彼を出して。核心は家族を守るではない気がする。それは外側の部分だけで、内側に何か強烈な強い光が潜んでいて、それがたくましい人の本質だと思う。その強い光を眉間にしわを寄せじーっと見つめてみたら、どうやら、受け入れる強さらいいことに気づいた。世の中にはどうにもならないことがたくさんあって、そのどうにもならないことを受け入れて前を進む強さ。これかもしれない。これだ。だとすると、私はたくましい人になれるかもしれないと思えた。いや、難しいかも。だって、どうにもならないことをどうにかしようとするのが普通だから。

まずは、寒い今日も元気に光州まで出かける、寒さはどうにもならないから。


写真は最近読み始めた、インド出身の文豪サルマン・ラシュディ―のムーア人の最後のため息。冬休みに読もうと大切にとっておいたの。



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2016/01/18

二人で人生計画





今日はツーンと冷たい空気に包まれたヨス。寒い。寒いけれど、遠くの山の雲の影までよく見えるぐらい空気が澄んでいる気がする。

来月、ドンちゃんと二人で日本へ一時帰国の予定。帰国日が近づくにつれ、ドンちゃんと実家の母のラインが盛り上がっている。恒例の「お家ごはんは何が食べたい?」という母からの質問に、ドンちゃんがバッチリ日本語で答えたのが上の写真。


からあげとどんじるとだまごさんどとごろけがだべたいです


唐揚げ、豚汁、卵サンド、までは濁音の間違えはあれどきちんと書けている、が、「ごろけ」って何よ(爆)でも母にはきちんと伝わってました、コロッケと。母のコロッケはドンちゃんの大好物。私がドンちゃんの実家に行くときに、ドンママに色々とリクエストするのと同じで、ドンちゃんも私の母にリクエストする。ドンママも日本の母もそれを喜んでくれること、お互い、義理母の料理を美味しく食べることができる環境にいることに感謝しないと。その後、母の「焼きそばは?」の質問に「やきそばもだべたいです」と答えていたドンちゃん。

ということで、日本滞在中は、朝ごはんに卵サンドと焼きそばが毎回登場し、お家ごはんでは揚げ物満載になるのが予想される。過去の滞在経験から想定内だけど。


さて、週末は、二人で人生計画のパワーポイントのファイルをあけて、2016年の夫婦としての目標、クォーターごとの個人の目標を立てた。10年後の長期目標も個人ごとにあるから、それも一緒に見直した。

人生計画をパワポで作るのはかなりオススメ。スライドを随時追加していけば、時系列的にも俯瞰できるし、並び替えも楽にできる。

ちなみに2015年の夫婦二人の目標のレビューもした。ドイツ、フランス旅行と日本国内温泉旅行が達成できたので達成率は60%ぐらい。達成できなかった残りの40%を分析、今年に生かせるように。今年もしっかりと目標を設定したので、個人も夫婦としても目標達成率が上がればいいな。まあ、あまり気を張りすぎず、楽しみながら

人生計画と一緒にファイナンシャルプランも二人で見直し。こちらはエクセルで。二人60歳までのライフプランの横にインカム、アウトゴーをざっと見積もってみた。エクセルのセルを眺めながら、いつ死ぬかわからない自分の人生が60歳まで可視化されちゃうのは、何とも不思議な感じだなと思ったプラス、三年間分の家計収支を資料に、今年の貯蓄額も設定。こまめに二人で見直して問題があれば改善していかないと。今のところ、問題はエンゲル係数の異常な高さなんだけど。

この作業のおかげで今週からようやくスタートをきれた気分。ああ、すっきり!新年明けてから、友人がヨスに来たり、大学院の仲間たちと釜山旅行をしたり、ドンちゃんも忙しかったりで、なかなかじっくりと計画に向き合う時間がなかったから。半日かかったけれど、二人で現実的な計画を立てるのはものすごく楽しいな。私たちは家族なんだなって思える。私の周りに彼の人生があり、彼の周りに私の人生がある、そんな感じ。

新たなスタートも大事だけど、とりあえず、まずは来月の卒業試験にパスしなくては。これにパスしなければ、論文を書く資格をもらえない。これをパスして、私は母の作るコロッケをドンちゃんとハフハフしながら食べるのだ。日本の冬季限定のビールと一緒に。






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2016/01/15

良き妻ごっこ



たっぷりほうれん草。小ぶりで茎も短い。

久しぶりにカリフラワーをスーパーで見かけ、カレーのスパイスで炒めたい!と、胸がときめいたのは一瞬。その値段にびっくり。400円って。しぶしぶ諦めて隣のほうれん草をカゴに入れた。

こっちに来てから、茎の短いほうれん草によく出くわす。ぐらっと茹でた後に包丁を入れないでそのまま食べれるぐらい短いほうれん草に。スーパーでも食堂でも。

スーパーでは茎の長い見慣れたほうれん草が結いて売られているのに対し、見慣れぬほうれん草は袋にたっぷり入って売られている。食堂でもよくおかずとして出てくる小さくても味は変わらず。甘くて美味しい。ただ、食べ方というか調理の仕方が少し違う。根も一緒に食べるのだ

最初に根がついたままのほうれん草のナムルが出てきたときはびっくり。他の地域でも根のまま食べるのかな?ヨスだけ?食べてみたら、少し苦いけれど、食べれることは食べれる。何より小さいのであまり気にならなかったさすがにいつものほうれん草は根も落とすけれど、小さいのはしっかりと洗ったのならば食べてもいいのかなと、思いつつ、今日も茹でて根は落とした。私にはまだレベルが高い。


そういえば、今日の朝、ベットのサイドテーブルの上を雑巾で水拭きをしていたら、ドンちゃんからもらった手紙たちが3通、目に止まり、思わず読み返してしまった。

どれもドンちゃんから最近送ってもらったものたち。どの手紙も「最近忙しいマイベイビーへ」で始まっていて、「大変だと思うけれど、しんどかったら僕のことを思い出してね。僕もしんどいときはマイベイビーを思い出すんだよ。」とようなことが書かれていた。

最近ドンちゃんがかなり忙しい。秋からの大きなプロジェクトも佳境を迎えているみたい。私とは比べものにならないぐらいのプレッシャーを背負う彼を、今度は私がしっかりと支えないと、と手紙を読みながら思う

今までもしっかりとサポートしてきたつもりだったけれど、今になって思うけれど、どれも「ごっこ遊び」みたいだった。夫を支える妻という役割に憧れる「良き妻ごっこ」遊び。自分としては一生懸命だったけれど。それは、ドンちゃんの心からのサポートに自分が支えられて、気づいた。美味しい料理を作って、日々のささやかなことをやってあげることだけがサポートではない。もちろん、ごはんは大事だけど。すごく大事だけど。でも、大事なこと、もっとあったんだなって。

掃除をしながら、そんなことを思った。そして、手紙たちを今までもらった手紙たちが入っている自分の宝物ボックスに大事にしまった。


さて、ほうれん草で何作ろう?


<おまけ おいしいハルラボンの季節>
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2016/01/13

鰻のスープ



朝から冷え込んでいるヨスです。お茶をすすりながら、雪がパラパラと舞っているのを眺めています。午後までに陶芸のため光州に行かなくてはいけないのですが、きっともっと寒いんだろうな・・・と思うと、身体が勝手に身震いをしてしまう。こんな日は水ではなく暖かいお湯で土を挽かなくては。


さて、話は唐突に変わりますが、我が夫婦、二人して鰻が大好き。

まだ付き合っていない友達期間だった時、彼に「何が好きなの?」と質問したら「僕は鰻が好きなだ」と答えていたことは記憶にきちんと残っています。私も好きだよと言うと、「じゃあ今度食べに行こうね」と言ってくれたんだった。実現は付き合ってから数ヶ月後、二人で晋州旅行に行った時。そこでは醤油ベースのヤンニョンで漬けた鰻を焼いて食べたんだけど、すごく美味しかった。

ヨスは鰻は有名です。ヨスではしゃぶしゃぶで食べるのが一般的なのですが、私たちが好きなのは塩焼き(過去記事参照鰻は塩焼きで)ふっくら、アツアツに焼かれたのを刻んだ生姜と一緒に食べるとほっぺたが落ちちゃあいます。そして、そこで締めに出てくるチャンオタン(鰻のスープも大好き。が、チャンオタンは最後にご飯と一緒に出てくるだけなので、量も多くはなく、いつももっと食べたいなーと思ってました。

ならば、チャンオタンだけメインに出すお店に行けばいいんだ!ということで、ドンちゃんが会社でヨスが地元の人に聞いてくれて、年末に食べに行ってきました。チャンオタン!





お店は地元の人しか通わないような素朴な雰囲気。場所もヨス郊外にありました。





ででん!ずっとたくさん食べたいと思っていたチャンオタン!もやし、よもぎ、山菜と一緒に鰻がごろごろっと入っていて、ものすごく美味しい!ドジョウのスープであるチュオタンのように、エゴマの実もたっぷりと入っているので、香ばしい。



鰻たっぷり。ご飯の上にのっけて、ご飯と一緒に食べると更に美味しさアップです。アツアツだけど、寒い韓国の冬にじんわり染みて幸せな気分になります。

また、ここのお店は一緒にでてきたおかずも美味しかった。


冬の定番、ほうれん草のナムル。ごま油と塩であっさりと。



これも冬定番のおかず、パレ(青のり)のナムル。お酢と砂糖で味付ています。私はこれをチヂミにするのも好きです。



これも冬に美味しい、ヤンニョンケジャン。蟹のヤンニョン漬けです。


これはヨス名物の高菜のキムチ。ヨスの食堂ではかならず出てくるおかずの一つでもあります。



あとは定番の大根のキムチ



白菜のキムチ



食べる前に飲むと消化を助けてくれる水キムチ。

などなどが、おかずとして出てきました。食堂に行くたびに注目するのが一緒に出てくるおかずたち。食べながら、食材そのものや、何と何を合わせているのか、味付けは何かなどを勉強しています。もちろんドンちゃんの助けを借りながら。私にとっては初見でもドンちゃんにとっては食べなれたおかずたちなんですよね。食べたことない物を作ることはかなり難しいと学んだので、これからもいろんな食堂に行って、色んなおかずを食べようと思います。

写真も撮って、ここで共有しようと思い、すでに撮りためています。少しずつ紹介しますね。特にヨスの食堂は、季節のものを使っていたりするので、嬉しい。



春が来る前にもう一度、チャンオタン・・・食べたいなぁ。




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2016/01/11

ご飯と海苔



美味しい海苔が手に入ったので、ほかほかのご飯のお供として毎晩食卓に登場しています

お醤油をつけて二人でもりもり食べています。二合のご飯もペロリです。ドンちゃん曰く海苔は「ご飯泥棒(韓国特有の表現」なんだと。うん、そう思う。ご飯が進んじゃうよね。私も海苔でご飯を8回おかわりしたことがある(小学三年生、味付け海苔、自己最高記録)ので、わかるぜ。

面白いのが、食べ方。私とドンちゃんで違いが出ます。

私はお醤油に海苔をつけて、それをご飯の上に乗せて包んで食べます。おそらく日本人の一般的な食べ方だと思うのですが。

一方ドンちゃんは、お醤油に海苔をつけるまでは一緒なのですが、その海苔は手に乗せたまま、ご飯を海苔の上に乗せて包んで食べるのです。焼肉をサンチュで包んで食べるのと同じ。

今に知ったことではないけれども、ドンちゃんの海苔の食べ方を初めて見たときはびっくりしました。全然私と違うから。でも、その違いをみて、頭の中ですぐに浮かび結びついたのが韓国の食文化、「쌈」の慣習。白菜、ほうれん草、キャベツ、サンチュ、海苔、わかめ、などでご飯やおかずを包んで食べること。

この慣習は民俗学的にもなかなかおもしろくて、歴史も古いのです。というのも、元々は、海苔や野菜にご飯を包むのは井戸や川、海にいる神へのお供え物という宗教的目的で行われていたことらしい。なぜ、水に関わる神なのかがわからないのだけれども、包むのが保存も兼ねていたということも聞いたから、便宜的な面と関連しているのかなとも考えられるのかな

海苔の食べ方という小さなことから相手の国の食文化を照らすことができる、これぞ国際結婚の醍醐味です。いや、国際結婚に限らず、国内でも地域でそれぞれ違いますよね。そうゆう小さな違いが日々の日常で発見されるたびに楽しいね〜ってドンちゃんと話してます。

海苔の食べ方は一つじゃない。
世の中には自分の当たり前が当たり前ではないことが溢れています




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2016/01/08

私と陶芸



2016年になっての初めての陶芸はロシア人の友達と一緒。

先生も歓迎して温かく迎えてくれ、アトリエの皆でコーヒーを飲みながらワイワイとお喋りし、二人で轆轤を回しました。陶芸は初心者だけれども芸術感覚に優れ絵が上手な彼女は、やはり予想通り、指の感覚で土の形を変えていくことを楽しみながら上手にこなしてくれました。さすが。私がサポートしながら、一緒にいくつか作品を作って、とっても楽しい時間を過ごすことができました。

陶芸を始めてからずっと彼女には陶芸の話をしていて、彼女はいつも応援してくれて、彼女と一緒に陶芸をするのが密かな私の夢だったので、感無量。焼きあがったら、すぐにロシアに送るんだ。




陶芸と私、出会って今年で4年目。

陶芸をしていると、やりたかったけれどできなかったという心の底の底にこびりついて時々私をざわざわさせるものたち、後悔が記憶として形を変えたものたちが、昇華していく気がします。その点で、そうゆうものに蓋をしたり、気づかずに生きていくことができない私にとっては、陶芸は生きていくうえで必要なツールだなと思う。

今年は自分が何を作りたいのかを考えながら、自分にとって陶芸とは何かについてももっと考えていきたい

兎にも角にも、新年に彼女と作品を作れたおかげで、2016年の私の陶芸道も楽しいものになりそうな予感です。



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2016/01/04

おいしいご飯を食べに


今日はかなり暖かいヨスです。なので窓を全開にして朝からバタバタと片付けをしていました。実は今日から交換留学時代のお友達が泊まりに来るのです。ロシアはサンクトペテルブルクから。かなりウキウキしています。


さて、年末に足を運んだ利川について書いていこうと思います。まず地図。赤く丸で囲んだところが利川市です。京畿道に位置して、高速バスに乗れば首都ソウルから一時間ぐらいで到着する距離です。


有名なものはまずお米。利川のお米は「君主様のお米」と呼ばれるブランド米。スーパーのお米売り場に行けば「利川産」のお米が他のお米と比べて高く売られているのをよく目にします。というのもこの地域は南漢河(ソウルに流れているハンガン)があり平野が広がり、自然災害も少なく、地理的に農作環境に恵まれているのです

次に陶磁器。昔から陶磁器が作られていたということなのだけれど、実はどこまで正しいのか不明。おそらく戦後に、李氏朝鮮の元で陶磁器を作っていた人たちが、この地に移り住んだというのが一番正しいのかも。歴史は意外と浅かったり。が、やはり河があって、土が良くて、すぐとなりの広州で良質な蒔が手に入るという陶芸にとって地理的に恵まれた環境であったことは確か。
歴史的に本当に陶芸と縁があったのかはわかりませんが、現在はかなりの窯元が存在し、陶磁器のお店もかなり多いです。陶磁器の街です

ちなみに、ドンちゃんと二人で出した結論は「利川は土器、三国時代に軍事的に重要な地域であった」ということです。というのも、利川は三国時代の土器が発掘された場所なのです。しかも、百済の土器、高句麗の土器、新羅の土器と、3つの国それぞれの土器が。これは何を表しているかというと、利川という地域が国と国の狭間に位置し、時代にかなり翻弄されたということ。地理的にみても、南進をするのにどうしても抑えておきたい地域であることは一目瞭然。高句麗にとっても新羅にとっても、まずは抑えようと思った場所が利川だったのです。

と、利川についての前置きはここまでにしておいて。おいしいごはんの話を。




前述した通り、利川は米どころゆえに、釜で炊かれたご飯と一緒にたくさんのおかずが出てくる「米飯定食」が有名なのです。お店もたくさんあります。今回はそれを食すのが目的の一つでした。




たくさんある米飯定食のお店からドンちゃんがリサーチした結果、選んだお店は「青木」
日本でも有名らしく、コネストの記事にも載ってました(→お店は綺麗にリニューアルした模様。かなりの人気店らしく韓国人であふれていました。40分近く待ったかな。




念願の利川のお米!お米に関しては正直期待をしていなかったのですが、やはり美味しい。ふっくらツヤツヤでものすごく美味しかったです。




そして一緒に出てくるおかずたち。美味しかったです。元々韓国のおかず文化はご飯に合うものが基本なので、ごはんが進みました。特に、カンテンジャンという濃い味のお味噌を茹でたキャベツに
ご飯と一緒に包んで食べたのが絶品でした。おからも美味しかったな~




ちなみにトゥッペギでご飯が出てきた場合は、すぐにお茶碗にご飯を移した後、おこげがついてあるトゥッペギにお湯を注ぐのが一般的です。おこげのスープであるヌルンチの出来上がり。食後の〆に頂きます。ここのお店ではお湯ではなくて、どんぐりのお茶を注ぎました。これが香ばしさが倍増して美味しい!我が家でも真似しようと思います。

青木で食べたのは正解でした。メニューもこの定食のみ。一人1200円ぐらいだったかな。安かったです。また食べに行きたい・・・




食後は散歩をしながら陶芸村へ(→




美しい白磁器を中心に見て回りました。素敵だった・・・






ちょっと奥まで行くととある窯元の登窯がありました。火は燃えていなかったけれど、薪が積んであるところを見る限り、現役なのかしら。いつか私も焼いてみたい。


その後は利川市立博物館へ。小さな建物だったけれど発掘された土器もあって、見ごたえがありました。





お買い物はちょこっとしました。ご飯茶碗とお皿。どうやらこの色が流行っているみたいで、どこのお店でもこの色のお皿を見ました。大切に使おうと思います。




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