My everyday life from Yeosu/여수/麗水, Korea.


2016/04/14

自分の日常を生きる



旅行というものは自分の日常と離れたところにあるものだ。しかし、それは完全に切り離すことはできない。むしろ、私にとってそれは自分の日常を強く意識させてくれるものでもある。

というのも、旅先で一番興味をそそられるのが、観光地やグルメではなく、その土地で暮らす人々のささやかで些細な日常であるから。

例えば、魚が入った買い物袋をぶら下げて家路につく人、ウイグル料理屋さんでお会計の後に普段の主食のための平べったいナンを買い込む人、出勤前に屋台で朝ごはんを食べている人。それらの光景を通してわかる彼らの繰り返しの日常にとてつもなく惹かれる。たまらなくいい。このような旅先での人々の日常を、私はすべて切り取ってスクラップにして眺めていたくなる。

特に目を惹かれた光景が、水筒を持ち歩いているというもの。通りをすれ違う人々、お店で働いている人々、皆が皆、水筒を持っていた。保温瓶ではなく、プラスチックでできたもの。一番上の写真のおじいさんが持っている。彼はお茶を入れていた。

そういえば、私の友人の中国人はまず冷たい物を飲まない。授業前に飲むのはコーヒーを飲むために沸かしたお湯を少し冷ましたもの。実際に中国に行ってみて、「中国人は健康のために冷たい飲み物は取らず、お湯やお茶をたくさん飲む」と彼女が言ってたことが実感を持った





皆、各自の水筒に水や茶葉入りのお茶を入れて持ち歩き、それはそれは様々な場面で飲んでいた。デパートや駅のトイレの近くにはそのためのお湯とお水がでる給水機が常備されている。その横には水筒を置けるような棚があり、皆そこに水筒を置き、トイレに行き用を足し、水とお湯を入れ帰っていく。上の写真がそれ。

普段、家を出る前にやかんに火をかけるのだろうか。熱々ではなくちょうどいい温度で持っていくため、朝起きたらすぐに沸かしておくのかな。お茶は、お気に入りのを常備しているのだろうな。自分の体調に合ったお茶を日々選んでいるのか。





そのような光景を見ていると、私もプラスチックの水筒が欲しくなった。最後の夜に行ったスーパーマーケットでは、案の定、様々な色や形の水筒が売られていて、すべて安い。お茶を飲むのに便利なフィルター付きのやつを買おうかなと思ったが、悩んだ末にやめておいた。ヨスの自宅にはドンちゃんとお揃いの象印の魔法瓶があるし、そもそもあまり持ち歩かない。


何よりも人は自分の日常を生きるのであって、誰かの日常を生きるのではない。もちろん、自分以外の誰かの日常を真似することはできるけれど、それはそれだけのことで、自分自身の日常を生きる人に比べたらなんて薄っぺらいものなんだろう。日々の繰り返しの中に潜むささやかな充実とそれが育む知恵は、自分の日常を生きてこそ持てるものなのではないか。

中国で見かけた人々の日常は、私にそのようなことを教えてくれた気がする。そして旅行から帰ったら、私は私の日常を大切にしっかり生きようとエネルギーをくれる。だから私は現地の人々の日常が好き。そこに自分を写し、彼らのと同じぐらい自分の日常も素晴らしいものだと確認させてくれるから。


おまけ



↑宿泊先のエレベーターで見つけたドンちゃん、ニーハオ!






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