My everyday life from Yeosu/여수/麗水, Korea.


2016/02/22

お父さん



父が病気になったと連絡を受けたのが一時帰国の一ヶ月前。

退職した後も、個人事業主として大きな案件を抱えバリバリ仕事し、一方で健康には誰よりも気を使ってきた父だったので、病気のことを聞いた瞬間は驚き、手が少し震えてしまった。その夜はベッドに入ってもなかなか眠れず、ドンちゃんの胸でおいおい泣いた。

帰国日の一週間前、これ以上悪化すると命に関わってくるが、幸いなことに今のところは大丈夫だということを母から聞いた時は、窓を開けたら突風が吹き抜けていくみたいに、なんとも形容できない感情が全身に駆け巡って、気づいたらポロポロと泣いていた。

悪化させないために、食事制限をしなくてはいけないらしく、お酒も乳製品も脂質も厳禁。元気でいてくれるならそれで良かったんだけど、グルメな父を思うとかわいそう。そしてなんだか切ない。

そんな父のために、実家に滞在している期間はできるだけ私が夕飯を作ろうと誓った。母も仕事が忙しそうだし、父だけではなく母のためにも少しでも孝行したくって。




油や卵なんかを一切使わないメニューを考えるのはなかなか面白かった

写真のこの日は新鮮なセロリがあったので、普段は卵と一緒に炒めるセロリの葉を、お鍋に入れて塩胡椒を少々してじっくり煮込んで出汁を取った。その出汁で野菜スープ。セロリの茎は浅漬けに。メインは父の好きな高野豆腐を使って、高野豆腐の肉詰め。具は鶏肉と刻んだ椎茸とネギで、鰹節でとった出汁にお醤油とお酒とみりんで薄く味付けして煮込んだ。久しぶりのインゲンはすりごまで胡麻和え。切り干し大根は一袋を水に戻して人参と一緒にピクルスにした。

と、書いてみると質素なごはんだけど、母も父は喜んで食べてくれた。ドンちゃん以外にこんな風に美味しい美味しいって食べてくれる人は両親以外にいない。もっと色々と調べてみて、健康にいいご飯を作ってあげたかったな。

父のことはいつでも大好きで感謝の気持ちでいっぱいだったけど、結婚してからの方がもっとその気持ちが大きくなった気がする。というのも、父が私のことを大切に愛情いっぱいに育ててくれて、私たち兄弟や母に対していつでも誠実で、家族を大切にしてくれたからこそ、私はドンちゃんみたいな人を選べたのではないかと最近思うから。私の「男性をみる目」は父あってのものだと思う。

母にも「あんたはパパみたいな人を選んだんだね」って言われ、それは父とドンちゃんがやはり似ているということなんだなと、一人で納得した。

父の検査結果が分かる前に韓国に帰ってきたけど、何かあったらきっと、私はもっと一緒の時間を過ごしたかったと後悔するんだろう。でもどんなに一緒にいても後悔は生まれるものなのだとも思う。でも、父や母には後悔して欲しくない。後悔はさせまいと思う。

生まれてから嫁いだ今でも変わらずに娘として大切にしてくれるパパのためにも、やはり私はドンちゃんと楽しく元気に幸せに暮らしていかないと。



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