My everyday life from Yeosu/여수/麗水, Korea.


2016/07/29

自分とは誰なのか



家族のことで色々とあり、日本に来ています。

私の実家がある町は、8月を目前に控えようやく梅雨が明け、広がる青空にはもくもくとした白い雲が浮かんでいます。この空を見るたびに、この青空の下で私は夏休みを過ごし育ってきたんだなという、懐かしさで心がいっぱいになります。見慣れた、しかし今は遠くにある、日本の夏。


さて、今日は一人で、新橋にあるパナソニック汐留ミュージアムへ。お目当てであった「ミケランジェロ展」に行ってきました。

元々、去年の春に訪れたフランスはパリのノートルダム大聖堂を見てから、ゴシック建築の息をして成長していくような有機的な部分と、形と質の見事な融合にあっさりと魅了され。以降、ゴシックについてちょこちょこと資料を読んでいるうちに、その次の時代であるルネサンスに興味を持つようになり、最近ドンちゃんとルネサンスについての本や資料を読んでいました。なので、例え個人中心の展示会だとしても、あの時代を生きた偉人から、全体を見渡すことができる何かを手に入れることができるのではないか、と思ったのでした。

ビルのワンフロアを使った美術館なので広さはないのですが、センス良くまとめられ見やすく飾られたミケランジェロの素描画の数々に圧倒。素描画は建築、彫刻、絵画にまで及び、全てにつながるまず第一のものであることが、実感できます。そしてそれこそが自身の思想そのものであるということも。

特に天井画や最後の審判の人物習作は素晴らしく、鋭い観察力で描かれるそれを見ると、ミケランジェロが人間の外側だけではなくその内なるものさえも、自分の目で探し出そうとしていたのではないのかと思えるぐらいの、気迫に満ちていました。それを通し自分さえも見つけようとしていたのかな、と思ってしまった私は相当ルネサンスに被れているのかもしれません。でも、人間を観察する姿勢からルネサンスという時代を感じることができました。

私的ハイライトは、最後にちょこっと紹介されていた、ミケランジェロに影響を受けた日本人のコーナー。建築家である丹下健三が戦後にようやく、イタリアを訪れた時、真っ先にミケランジェロの作品を見に行ったというエピソードを読んだ時。そして、その時にイタリアはローマから日本の家族に当てた絵葉書に「カンピドリオ広場で時間をたくさん使った。つまり無我夢中だった」という一文を読んだ時。嗚咽を出して泣きそうになるぐらい、私はそれに感動してしまったのでした。実際はひっそりと涙を流したけれど。

なんであそこまで感動したんだろう。きっと、私は人間のひたむきさと子供のような情熱に弱いのかもしれない。ではなぜそこに弱いのか?。。。と、こんな風に、who am iについて家に到着した後も考えさせてくれるから、やっぱりミケランジェロ展に行ってよかった。

ルネサンスが好きな理由もそこにあります。



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