西から東に移動する低気圧が週末、ヨスに暖かな春の雨をもたらしました。洗濯物は乾かないけれど、濡れた地面から新たな命が芽吹いてくるような、エネルギーを呼び覚ます春の雨。
しめやかに降るから春雨か、はたまた桜の花が散らないかと心配になるので花の雨か。この雨をなんと形容し呼べばいいのだろうかと、考える時間が好きだったりします。
さて、写真はドンちゃんの宿題。彼の日本語の表現力向上のために私が出したもの。2日に一度、テーマに沿った日本語での簡単な作文を作り、それを一緒に添削した後に清書し、それを見ないでスラスラと言えるようになるまで音読で練習し、最後に私の前で発表するという、タスクを課したんです。
というのは、最近「言語学習ストラテジー」というものを知ったから。言語学習ストラテジーとは簡単に言うと、新しい言語を習得するために学習者はどのように学習をすれば効果的なのか、その方法のこと。(私が読んでいるのはLオックスフォードのものなので少し古くアンド英語学習者が対象になるものなのですが、論文を検索すれば日本語学習者向け、韓国語学習者向けの論文もかなりヒットしました、でも大筋は変わらない気がします)
勉強方法というものを特に考えず、がむしゃらにやったのでは時間の浪費。特にドンちゃんみたいに時間が限られ忙しい人にとっては、いかに短い時間で記憶を定着させ、それを引き出し活用できるようになるのかが鍵なので、どのように日本語を勉強させようかというのが常に私の課題でもあったのです。
自分の意見をまとめ、訳す過程で表現を分析し新しい言葉の結合を作っていくことは、日本語を認知する能力を育てるし、字を書くことと音読することでイメージと音を結びつけ長期記憶を作ることができる、というストラテジー理論に基づく確信のもと、このようなタスクを課したわけでした。
ちなみに最初のテーマは好きなスポーツについて。ドンちゃんはもちろんバスケットボール。週末の土曜日は晴れたので、バスケットボールをしに近所の公園まで出かけてきました。
公園ではドンちゃんは一人バスケットボール。少年のように熱心に汗をかきながら動いていました。見るたびにドンちゃんはバスケが本当に好きなのね、となんとも言えない愛おしい気持ちになります。それは、好きな人の好きなものを好きだと思う気持ちが、私にとってもかけがえのないものだなと実感できるからであり、大切にして守ってあげたい気持ちになるから。
そんな彼を横目で見ながら私は読書。家で淹れたお茶を飲みつつ、ペルーの天才バルガスリョサの傑作「密林の語り部」の世界へ。
バスケを終えて、読書を終えて、2人でまた桜を眺めながら家に帰ります。桜を眺める私の横で「アレ、マイベイビー、ドコ?ドコ?」と私を探す仕草をし、私を抱きすくめて「見つけた、ここにいたんだね。マイベイビーは花のように美しいから、桜と一緒だとどこにいるのかわからなくなるね」とニコニコしながら言うドンちゃんは、春の風物詩。同じようなくだりを桜の下で去年も2年前も3年前も聞きました。
来年はその台詞を日本語で聞けるかな?ドンちゃん、頑張って!
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