西安の記録をテーマ別に書きあげるためには、気持ちが高揚している今に勢いでざざっと書く必要があります。これが冷めたら一気にめんどくさくなってしまうので。なので、今日も筆をとります。
今日は西安でのおいしい中国ごはん、食について
出発時のブログにも書きましたが、何よりも楽しみにしていたのが、西安で食べるごはんでした。特に中国のイスラム教徒である回族の料理たち。
西安の人口は700万から1000万人の間だとされ(文献に依って違う)中国のどの地域でもそうであるように、漢族と多様な少数民族が住んでいます。人口構成の99%が漢族であり、残りの1%が少数民族。そしてその少数民族の中で一番大きく比重を占めているのが回族です。
回族はアラブ人の男性と漢族の女性の間に生まれた人たちのことを言います。ではなぜ西安に回族が多いのか。それはシルクロードを通した交易によるもの。唐朝以後、シルクロードを通してアラブ人との交易が増加すると同時に長安(西安)に住むようになったアラブ人も増加。彼らが漢族の女性たちと結婚しながら、回族コミュニティーを形成しはじめたとされています。その時に西安にイスラム文化も生まれました。ということで歴史は古い。
回族ストリートに行くと、中国料理とはちょっと違う様々なスパイスを使った料理や羊肉、ナンやヨーグルトが売られ、アラビア語の看板も見ることができます。そこで働く回族たちの服装は長い間中国に同化してきたので簡略化されているけれども、帽子やスカーフからイスラム教徒だということを伺うことができます。街中にも何軒かモスクが建っていますが、一番良かったのが回族ストリートの清真大寺。見かけは中国のお寺だけれども、壁に掘られたモチーフからここがイスラムのモスクだと実感できます。中国とイスラムが見事に融合されていました。
で、肝心の料理
小さな白いナンを器に小さくちぎった後に、それを厨房に持って行き、そこにスパイスと一緒に煮た羊肉や牛肉と春雨の熱いスープを注いで食べるもの。ペルシャの方から伝わった料理を中国風にアレンジしたものらしい。
とても美味しいです。辛すぎないでも絶妙に重なったスパイスのスープが特に。付け合せのらっきょもお酢がきいていて美味しかった。
小さな店内には人がぎゅうぎゅうで私たちは仕事帰りのおじさんと相席でした。淡々と食べていたのが印象的。
デザートにとヨーグルトジュースと揚げた柿餅を買った。ヨーグルトはプレーン味と蜂蜜入り(お店のお姉さんが携帯の翻訳機で教えてくれた)アラビア語も書かれたこの容器が可愛くて大事にヨスまで持って帰ってきた。
揚げ柿餅はなんとなく前のおばさんが買っていたのと同じのを買ってみた。それが正解で中が黒ごまの餡で美味しかった。どんちゃんのはお砂糖が控えめの餡だった。
西安式ハンバーガーといわれるもので、ナンに刻んだお肉を挟んだもの。写真のはドンちゃんのお友達と華山に登った時に山の売店で食べたもの。そこでは、ナンはレンジで温めて、大きな炊飯器に保温されてあった羊肉の塊を分厚いまな板の上に乗せて、汁と一緒に大きな包丁で刻んでナンに挟んでいた。他の人たちは豆のスープとか卵を薄く伸ばして焼いたものを食べていた。
次にウイグル料理
トルコ系ムスリムのウイグル族の料理であるウイグル料理もこの機会に食べたかったので、お店を探しに探して食べてきました。
ナンの上にピリッと辛いスパイスたっぷりのソースで煮込まれた羊肉と大根がのっている料理です。羊肉は臭みがないのはもちろん、ホロホロで柔らかくとても美味しい。何よりもソースのスパイスが絶妙で、それが染み込んだナンも絶品だった。
コシのある手打ち麺にピーマン、玉ねぎ、キクラゲがたっぷりのトマトベースのソースをかけて食べます。麺がツルツルモチモチで美味、ソースもピリッとスパイスがきいていて、でも辛すぎずさっぱりとしていて、それはそれはとても美味しかった。
そのほかに羊串も頼みました。クミンや唐辛子のスパイスがまぶされ、お店の外で炭火で焼いたものをすぐに持って来てもらえました。韓国でもよく食べに行くけれど、やはりスパイスの香りが全然違う。美味しいです。ドンちゃん絶賛していたので私のを一本あげました。
お店ではナンも売っていて、お会計を済ませたお客さんがお家で食べるようにたっぷり買っていたのが印象的でした。ここで食べたウイグル料理がこの旅の一番だったかもしれない。
イスラム料理ではない西安の名物料理
麺料理が有名らしく、その中でも美味しそうに見えたビャンビャン麺を食べに行きました。麺が太くて平たくて薄くそして長い。それを器の縁で切りながら、つけ汁につけて食べます。お店の人がレクチャーしてくれました。
麺はモチモチ、スープは二種類、スパイスたっぷりの少しだけ辛いものと、白い辛くないスープ。白いスープには椎茸と干しエビがたっぷり入っていました。魚介ベースっぽいような。美味しいです。
ここでは青梗菜を炒めたのも頼んだのだけれども、これもとっても美味しかった。味付けはおそらく主に塩、青梗菜は炒めてとろみが出るように仕上げているのにシャキシャキだった。すごく美味しかった。このシャキシャキ具合はやはり火力?
ここでは麺の茹で汁がお茶の代わりでした。日本でいう蕎麦湯みたいな?これもまたいい。
小籠包だけど、熱々のスープが中に入っているのが特徴。なので、見かけはスープの重みでぺしゃんこ。これをレンゲに乗せてスープをこぼさないように食べます。
中の餡はイスラム教の影響から羊肉か牛肉のみ。我々が頼んだのは羊肉の餡と、牛肉の餡。だけど牛肉の方は普通のではなく、部位が三種類からなる餡を選びました。
これと一緒に頼んだのが雑穀と漢方を一緒に煮込んだ八宝粥。これ一度食べてみたかったんだけど、ここのは上品な甘さと優しい味でものすごく美味しかった。
最後は一般的な中国料理
これは小籠包というのかな?ホテルの前のお店は朝になると大きな蒸し器には行った小籠包やおこわみたいなのを売っていて、それを朝ごはんとして頬張っていました。スタンダードな豚肉も美味しかったけれど、豚肉と海老も美味しかった。肉汁ブシャーでトレンチコートが一気に肉臭くなったけれど、気にしないぐらい美味しかった。
こちらも朝ごはんに。夜遅くまでやっている食堂はどこも朝の6時半から朝ごはん専用メニューも出していた。ここでは朝ごはん用のスープが何種類か売っていて、スープを買えば揚げパンが無料だった。
私は豆腐のスープを選んだんだけど、とっても美味しかった。パクチーたっぷりで少しだけ辛いスープとゆるいお豆腐。周りの中国人たちは白いスープを飲んでる人が多かった気がする。揚げパンは甘くなく、素朴な味。スープにつけたりしながら食べていたので、私も同じように。
これは華山に行く朝に高速鉄道に乗る前に食べた朝ごはん。水餃子がたっぷり浮かんだ少しお酢がきいたスープと、少し太めの春雨をもやしと卵焼きの千切りと炒めたのも。
こちらはお昼ご飯、兵馬俑をみた帰りに、大衆的な中国料理も食べたいねということで。どれも美味しかったけれど、1番は茄子とトマトの炒めたもの。茄子はおそらく一度素揚げしているのかな?トロトロでご飯が進む。家で実践してみたい。
中国らしからぬサービスだと聞いていたけれど、本当にそうだった。まず、かなりの人気店なのでちょっとだけ待たなくてはいけなかったんだけど、待ちながら軽食とジュースを出してくれる。緑豆のスナックとザクロジュースが美味。トイレに立ったら、トイレの前でタオルを持って待っていてくれた。そして私たちの席には英語が堪能なスタッフが来てくれた。
テーブルの中央にはグツグツしている大きな鍋が置かれていて、各テーブル湯気がもくもくと天井まで立ち込めていて、幻想的な雰囲気だった。
スープも最初は辛かったけれど、食べれば食べるほど夢中になる美味しさで、お肉もかなり頼んでしまった。本当に美味しい。羊肉のしゃぶしゃぶって少しだけ抵抗があったけれど、新鮮なのか臭みゼロ。お魚の練りものも美味しかった。東京はもちろん、明洞にも進出しているので、また必ず食べに行きたい。
以上、食レポートでした。ざっと書いたつもりなのに2時間もかかちゃった。書きながら、もっと中国料理にどっぷりと浸かってみたくなりました。スパイスの使い方とか調味料の使い方とか体系的に学んでみたい。あの四角い包丁が欲しい。
それにしても、食べることが好きな私やドンちゃんにとって中国は本当に魅力的な国でした。食べるものすべて美味しかった。そして何より、韓国人って食に対して少し保守的な人が多いのだけれども、ドンちゃんは偏見を持たずに色々なものを一緒にチャレンジしてくれるから、一緒に旅行するのが楽しかった。またドンちゃんと一緒に中国ごはんを食べに行きたい。。。。じゅるり。
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