お出かけ日和の週末。
ドンちゃんと一緒にずっと行きたかった全羅北道に位置する群山へ日帰りで行ってきました。
まず、群山(군산グンサン)とはどこか!丸を付けたところです。全羅北道の港町。地図で位置を確認するのが大事!この地理的な条件のために群山の運命も変わっていくのです。
なぜ群山に行ってみたかったのか?なぜならば、群山には植民地時代に日本人が建てた建築物、日本家屋が多く残っているから。群山は多くの日本人が移住した街の一つだったのです。
なぜ、辺鄙な群山に?それは地図にヒントが。もともと全羅北道南道は韓国有数の米どころ。日本が韓国を植民地にした理由の一つが「米を確保するため」(交換留学の時に習った)。港町だった群山に全羅道で収穫されたお米が集積され、他の地域へ運ばれたのです。つまりお米の積出港として栄えた街。(ちなみに道別で日本人の土地所有率を比較してみると、全羅北道が全羅南道を抑えて一番です。)
交換留学をしていたころ、日本の指導教授と一緒に、もしくは院の先輩と、木浦、羅州に行ったのですが、そこでみた日本家屋、韓国の田舎街にひっそりと佇み何かをこちらに語りかけてくる建物、その感じが未だに忘れられず、群山にも行こうと思ったのでした。
ドンちゃんと一緒に行くのも意味があると思って。
行きかたは、ヨチョン駅からムグンファ号に乗ってイクサン駅まで行きます。イクサンからはバスに乗り換えて20分。行きは7時の電車に乗ったのですが、霧が立ち込めていました。
群山に着いて向かった先は、철길마을。群山にはペイパーコリアという製紙工場がありました。ここでは、当時、旧群山駅からその工場まで敷かれていたレールがそのまま残ってて、人々の暮らしに溶け込んでいる様子を見ることができます。
↑採りたてのサツマイモを広げて何か作業をしていました。地元のおじいさんも散歩してたりしてました。この道をもう少し行くと家の壁に絵が描かれていたり観光地化されていて、観光客も多くなります。
ここを後にし向かった先は、近代建築館や近代歴史博物館があるエリア。ここに来れば、徒歩でも日本家屋が残る区域にも行けます。
博物館の近くには旧植民地時代の建物をリノベーションした体験施設やカフェなんかがありました。朝ごはんをイクサン駅で済ませたままで、コーヒーも飲んでなかったので、ドンちゃんとカフェに入りました。カフェで見つけた日本らしい窓の鍵。
またこの周辺には当時の群山税関も残っています。この税関の建物、見たかったうちの一つ。しっかり写真に収めました。
この建物の特徴であるレンガはベルギーから輸入したもの。旧ソウル駅と韓国銀行本店と同じ様式です。設計者はドイツ人、しかし名前は不明。韓国国内に現存する三大西洋建築物のうちの一つだとか…
現在、近代建築館として使われているこの建物は、旧朝鮮銀行群山支店。こちらは韓国で活動した代表的な日本人建築家である中村資平が設計したもの。彼はソウル徳寿宮にある徳寿宮美術館も設計しています。
さて、近代建築館、博物館を観た後はお昼。この日のお昼は兼ねてから行きたかった釜飯の食堂
に行きました。その記事はまた今度。群山名物のお味噌も購入したので、そこで一緒に紹介します。
お昼を食べた後は日本家屋めぐりです。
リノベーションされてカフェやお店になっていたり、公園として保管されていたりするお家もあったけれども、心に迫るのは住宅街にあって今は韓国の人が住んでいる日本家屋。見るというか、「出会う」感じ。海外で日本人に会うとなんだか懐かしく再会した暖かさを持つときがありますが、そんな感じ。
その中でも有名で中にも入ることができる家屋が広津家屋。当時麻布と木綿店を経営し小規模な農場も運営していた日本人である広津という人が建築して住んだ家。
ドンちゃんがしきりに「三溪園と一緒だね~」と言ってた。今年の5月日本に帰国した際に、AちゃんとMちゃんと私ドンちゃんの四人で行った時を思い出していた模様!
最後に東国寺といって植民地時代に建てられたお寺を見ました。
この東国寺、植民地時代に建てられてから今まで残っている唯一のお寺。他は壊されちゃったのかな?それとも建て替えられてしまったのかな?
隣の韓国人女子が「大阪みたい~」と言ったのに対し、その友達が「大阪の方がずっといいわよ」と答えていたのが面白かったです。
東国寺を後にした後はバスターミナルへ。途中でミカンを買って(1キロ500円!)バスと電車を乗り継いで帰路に着きました。
群山は日本の植民地時代が確かにあったことをリアルに把握できる場所だと思う。日本人と韓国人たちがどう暮らしていたのかな、までの想像はできなかったけれど、事実をきちんと見ることは何より大事だなと思います。隣の国同士、知らないことがありすぎるのよね。
今週末は紅葉狩りに行こうとドンちゃん。
平日に一生懸命勉強します。
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