生み出すこと

昼にのんびりと家を出て、音楽を聴きながらバスに揺られてアトリエに向かう。私の日常の一部だったのですが、久しぶりになんだか幸せに感じました。

というのも、大学院が明日から冬休み。発表やプレゼンも終わった。気持ちに余裕がある状態で陶芸をすることがものすごく久しぶりだったんです。

学期中は一度「陶芸、しばらく休もうか」と考えたほど時間に余裕がなかった。ロクロを回している最中も、頭の中では勉強のこと。「あの課題、違う視点からアプローチしてみようか」とか「あのテーマでもう一度論文をリサーチしてみようか」とか「リーディングリストのあの本、今日中に読まないと」とか。

だから、今回は家事と学業の両立よりも、陶芸と学業の両立の方がしんどかったかもしれない。自分の好きなことだからこそ、自分自身でマネイジメントしながら自分のキャパシティーの範囲で自由にやれるんだけど、その分、辞めるのも物理的には簡単なんだよね。紙一重だ、本当。辞めるのだって、かっこいい理由を作って自分に納得させることができれば、それでいいんだし。

ただ、ここで諦めたら、今まで習得した技術がもったいないだとかそれよりも、「せっかく異国の地で見つけた自分の道」がなくなってしまうことが、精神的に耐えられなかった。やっている最中よりも、やり始めるまでが本当に大変だったから。なので、今学期は頑張った。来学期だって頑張る。

そんなこんなで、今日はドリッパー作り。二日前にロクロで挽いた部品(一番上の写真)を削って組み立てました。見本は写真↑のカリタのドリッパーです。

で、組み立て後が↑これです。乾燥しすぎないことと、カップの部分は削りのときに顎でナイフを固定して斜めにいれていくことなど、が今回の注意点。

思っていた以上に手がかかりました。焼き上がりがどんな感じになるのか楽しみ。上手くできたらこれをサンプルにしてまたいくつか作りたいな。

今日は充実感たっぷり。久しぶりに単純な意味での「生産活動」をした。生み出すって本当におもしろい。地球上に存在していなかったのに、3時間後、私の手で生み出されているんだもん。

買い物とか「消費活動」で満足するよりも、何かを生み出して満足する自分でいたい。それが私の理想。

ドンベネちゃん(自転車)は冬眠中

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