My everyday life from Yeosu/여수/麗水, Korea.


2016/11/09

想像する


一番上の弟は精神障害を専門に仕事をしています。ゆえに、週末はよく学会や研究会に出かけ、新しい病気ついて勉強しているようで、時々、そこでのトピックを話してくれます。たまにする電話や、私が日本に帰った時なんかに。

一番最近で印象に残っているのは、ある中東の研究者が報告したという話。

空爆を日常的に受けている人は、日々ものすごい緊張の中にいるので、体がものすごく凝った状態なんだそう。それは一回のマッサージやストレッチなのでは治らないぐらい、ひどいものらしい。少しずつ時間をかけて、体の緊張をとっていくのだけど、それがほぐれていくと、空爆の時の恐怖がどんどんと溢れだして、おかしくなってしまうのだそう。緊張は体だけではなく心もガチガチにし、恐怖をその中に押し込める。そして、体の緊張が解放された時に、それも一緒に一気に出てくるんだって。つまりは、空爆でガチガチになった患者の体をほぐす時、身体を専門的に扱うトレーナーの他に、精神障害の専門家も一緒にいなくてはいけない、という報告だったんだって。

元々、空爆は反対。どんな大義の元でも、絶対にするべきではないと思う。弟のこの話を聞いたときはものすごくショックを受けたけど、同時に空爆に反対する思いはさらに強くなりました。私が反対したところで、何も変わらないけどさ。

でも、そうゆう話を聞いて、苦しんでいる人がいること想像することは、とても大事なのではないかと思う。人の痛みを想像することは難しいし、どんなに想像したところで、本当の痛みを知ることはできないけれど。でも、いつかどこかで、自分とは違う他者が救いの手を求めてきた時、すぐに手を伸ばせる自分でいたい。





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