久しぶりに映画館に映画を観に行き(spotlightをアカデミー賞を受賞する前日に)、同じくこの四連休を使って遊びに来たドンちゃんの大学時代の友人とカンジャンケジャンを食べに行き、残りの2日はソウルへ遊びに。なので今日はソウルでの話を。
ホテルについて
ソウルに遊びに行くときは毎回ホテルに泊まる。英国のホテルチェーンであるIbis、米国のホテルチェーンであるラマダホテルをよく利用するけど、今回は新しくできたフォーポインツバイシェラトンに。というのも、ソウル駅からすぐなので路線バス利用者にはかなり便利なので。
部屋も快適だったけど、一番良かったのが朝食の時の眺め。駅からからみて西側のソウルが一望できるの。屋上が緑の住宅たちが並んでいる姿は古きソウルの姿であり、それを再開発後の高層ビルで眺めているのが何とも言えない感覚に。でもそれがソウル。ここの朝食のビュッフェも悪くなく、ビジネスマンが多いので静かで雰囲気も良かった。価格も一泊1万5千円以内で収まるし、日本からソウルに遊びに来る人たちにオススメ。
ごはんについて
今回は東大門でインドカレーを。東大門には全く行かないから、久しぶりの下車だった。目的のカレーの店までテクテクと歩いているとあちらこちらにネパールやインド系の飲食店が。インドやネパールの方たち、卸の市場で働いているのかしら?もしくはIT系の会社があの辺にあるのかな?肝心のカレーは有名だと聞いていたので期待していたら、ナンが薄くてちょっとガッカリ。この前、東京は京橋と神保町で美味しいインドカレーを食べたばっかりだったのでハードルが上がってたのかな。
夜はイテウォンでスペイン料理の予定が、月曜日はcloseだったので久しぶりの「俺のフレンチ&イタリアン」へ。6時前に入ったけれど、相変わらずお客さんが入っていた。しかも現地で暮らす日本人率が多し。私たちの隣の席は、日本人の不倫カップル(爆)おそらく40代ぐらい。目当てのロブスターは今日もソールドアウト、代わりに頼んだラムチョップが美味しかったので満足。
その後は二次会でクラフトビールが飲めるバーに行く予定が、ワインをかなり飲んだ私はふらふら。ホテルに戻り、悲願のオスカー受賞記念でディカプリオのタイタニックがテレビで放映されていたので、コンビニで買ったビールを飲みながら、若気の盛りってこわいよねー、会って数日の人のために死ねないわーって言いながら鑑賞。ワインとビールのおかげで爆睡。
遊びについて
ソウルに行くときに必ずチェックするのは美術館情報。ソウルにもただ単にコレクションを並べるだけではなく、深くテーマを掘り下げることができるような展示をする美術館が存在する。良く行くのが芸術の複合施設である「芸術の殿堂」で、ここの美術館であるハンガラム美術館は生涯教育的な面と独自性のバランスが取れているので好き。
ちなみに先月はそこで開催中のナショナルジオグラフィックの写真展と大英博物館展へ。写真展での目的はスティーヴマッカリーの写真。スリランカ南部の伝統漁法であるウェリガマを撮った写真を大きく見たかったため。大英博物館はドンちゃんの希望だったのであまり期待していなかったんだけど、各国のお祭りで使われる仮面について「生と死の境界線」という記述があって、そこにいたく感動をした。というのも、ちょうどドンちゃんとユング心理学の意識と無意識について議論していたので、そこにもリンクしてきたから。あとはやはり、英国って色んな国から摂取してきたんだなということがわかった。英国の保守層の資産ってすごそう(闇)
で、今回は「ピカソからベーコンまで」という企画展示。ベネズエラとの国交50周年を記念して、ベネズエラ国立美術館所蔵の作品が文字通り「ピカソからベーコンまで」展示されるというもの。
最初は「ピカソとベーコン」だと勘違いしていて、てっきり絵画における身体について、ピカソなどのキュピズムが成し遂げなかったことを明らかにしてから、ベーコンが目指した身体表現に繋げていくのか、それならかなり見応えがあるな、と勝手に妄想してたので、ちょっと残念。しかし、ベーコンを見るのは2013年の東京国立近代美術館でのベーコン展以来だったので(あれは凄かった)、楽しみに行ってきた。
最初は「ピカソとベーコン」だと勘違いしていて、てっきり絵画における身体について、ピカソなどのキュピズムが成し遂げなかったことを明らかにしてから、ベーコンが目指した身体表現に繋げていくのか、それならかなり見応えがあるな、と勝手に妄想してたので、ちょっと残念。しかし、ベーコンを見るのは2013年の東京国立近代美術館でのベーコン展以来だったので(あれは凄かった)、楽しみに行ってきた。
作品はピカソ、フェルナンドレジェ、ブラック/カンディンスキー、モンドリアン/シャガール/ベーコンなど。一応テーマはあるもののほぼ主義と年代別に展示されている感じ。大好きなカンディンスキーの初期作品も一点だけあったのでちょっと熱くなった(ちょうど日本で恩地孝四郎を見てきた後だったので)作品は写真の左(ミュージアムショップで買った)で、1902年のKochelという作品。まだ青騎士の成立前で、彼が印象派特にモネから影響を受けたことがこの作品から確認できた。バウハウスの時の彼の作品が好きだけど、これもこれでリズムがあって音楽的でカンディンスキーらしさがあって好き。
ただ、全体としてみたらやはりベーコンが主人公だったと思う。当たり前だけど。
ベーコンの作品は15点、トリプリックもあって、フルサイズではなくポートレイトサイズだったけど、それでも本物を目の前にすると血が逆流するぐらい圧倒される。混沌とした世界や宇宙のなかに究極的な秩序と真理を見つけ出すという宿命的な気迫に心臓から痺れる。そして、当たり前の事実だけど、目で見える形態や表面的なものがその本質ではないということを確認でき、「お前は決定的なものを見ているのか」という叫びで頭がいっぱいになる。
とにかく、観に行って良かったと心から思えた展示だった。オススメしたいのだけれども、ちょうど私たちが訪れた日が最終日だった。もう少し長くやってくれたのならばもう一度観に行きたかったな。近々、あの作品たちはベネズエラに帰るのかな。
と、アートネタをくずくず長く書いてしまったけれど、芸術の殿堂はもちろん、ホテルもイテウォンの「俺の」もオススメなので、ソウルに遊びに行く際は参考にしてもらえると嬉しい。
で、最後に完全に備忘録で、今回の日本帰国の際に行ってきた美術館と映画についてのメモ。
カンディンスキーが好きなので日本の抽象画家にも興味があり、タイミングもよく恩地孝四郎展が開催されていたので、東京都国立近代美術館へ。
かなりのボリュームで、説明もほぼないという展示方法だったので、全て見るのにかなり時間がかかったが、かなり満足だった。孝四郎の作品が世界の様々な美術館に所蔵されているという事実もわかったし、頭の中にあるカンディンスキーの作品たちと比べながら「日本の抽象画とは」ということについて自分なりの意見を組み立てることができた。
ここの美術館は建物自体が美術なのでただそれだけでも充分なところに、ガレの作品が並べられてて、もうとんでもなく素晴らしかった。で、自分はやはりアールヌーボーが好きだと実感。ガレのガラスたちは去年のサントリー美術館で見た乾山の作品とも通づるものがあった。考案してそこから実際に形成するんだろうけど、なんというか、ガレも乾山も、形成してから考案して当てはめていくような感じがすごくする。それはやはり立体の使い方がものすごく上手いということなのかな。
Aちゃんに誘われて渋谷のミニシアターでセルビアの映画であるバーバリアンを鑑賞した。監督はもちろんセルビア人で私たちとほぼ同世代。内容はコソボ独立などの問題を抱えるセルビアで生きる若者たちの話。
鑑賞する前は、コソボ問題で世界から悪者にされているセルビアではなく、内部から見た悪者ではないセルビアについて描かれるのかと思っていたんだけど、ちょっと違っていた。鑑賞した後にすぐにはこの映画が何を言いたいのかよくわからなかったんだけど、段々考えていくうちに、実はセルビア人のセルビア批判ではないのか?と思うようになった。
というのも主人公は父親を探すのだけれども、その父親というのがこの映画におけるキーになるのではと考えたから。結局、主人公は父親は探すだすことができなかったのだが、それが父なきセルビアであり、つまり、父親という存在がいないままではそれ超えて成長することができないという
息子の運命とセルビアの未来が重なっているのではないのかなと思う。
いい映画だった。若き研究者Aちゃんと観たということ、Aちゃんと一緒にワインと美味しい食事の後に鑑賞したというのも、更にこの映画鑑賞にスパイスになって深みを増してくれたと思う。
以上が東京での備忘録。
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Blueさん、こんにちは♪
返信削除楽しいお時間をお過ごしになったのですね。
ガレ、素敵ですね。
名古屋ですが、こちらにもガレのコレクションあります。http://www.mazak-art.com/index.shtml
明治村も合わせておススメします。
amiさんこんばんは!貴重な情報を教えて頂きありがとうございます!恥ずかしながらヤマザキマザック美術館は初めて聞きました。ホームページを拝見したところ、フランス美術中心なのですね。アールヌーボーのガレのコレクションもあるとのこと、ということは他のナンシー派の作品もあるのでしょうか・・・?とにかく、いつかこの目で確かめないとですね!
削除明治村は博物館なんですね~!かなり規模が大きそうです。名古屋は美味しいものも多いので必ず行かねばなりません^^
京橋のカレーはダバインディアでしょうかしらん?
削除名古屋は何も知らぬまま行ったんですが、面白かったです。しか~し、明治村まで行ったのに犬山城をスキップしてしまい、あとから犬山城が国宝と知り、帰ってから地団太地団太しました(汗汗)
そうです、ダバインディアです!グルメな方に教えてもらってから、帰国するたびに食べに行っています。おいしいですよね。
削除犬山城ってたしか織田家の誰かが作ったお城でしたっけ?国宝なんですね、知りませんでした!名古屋で行くべき観光名所のリストに入れておきます^^
しいなちゃん、やほ〜。映画、私もしいなちゃんと同じ予想で観に行ったからちょっと「あれ?」って思った。でも、監督はまさにそういう意外性を狙ってたのかなと感じてる。私ももんもん残ったから、映画の後もっとしいなちゃんと話せたらよかったなーって残念だったよ。昼間上映してくれればよかったのにね!(笑)また映画いこうね〜^^
返信削除あいちゃん、コメントありがとう!あいちゃんのラインで、ルカの絵文字に爆笑したから!セルビアについてまた改めた視点から考えさせられるように作られた映画だったよね。監督の方が一枚上手だった。本当、もっとあれこれ話したかったよね。なんなら毎月あそこの映画館で放映される映画を一緒に観に行くということをしたいよ・・・。また帰ってきたら一緒に観に行こうね、今度はみかちゃんも!
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