My everyday life from Yeosu/여수/麗水, Korea.


2015/09/30

大学で韓国ごはん





秋夕連休が終わり、今日から日常に戻りました。生憎の雨模様ですが、少しずつ気力を出していかないと、ですね。連休はドンちゃんと一緒にリフレッシュできたので、また色んなことを一つ一つ乗り越えていかないと。明日は10月だし。


写真は今、私が通う大学の学生たちの間で話題の김.피.탕.という料理。日本語で発音を表記するならキムピタン。これは一体何かといえば、

キムピタンの김(キム)は김지(キムチ)
피(ピ)は피자(ピザ)
탕(タン)は탕수육(タンスユク、糖水肉という揚げた鶏肉にトロリとした甘酸っぱいソースをかける韓国ではポピュラーな中国料理)

つまりキムチとピザとタンスユクが合体した料理なんです。どのように合体したかといえば、揚げた鶏肉の上にピザソースとキムチを絡めたソースがかかり、さらにそこにチーズがトッピング。肝心の味はといえば、意外にもとっても美味しい。キムチがよく合っているんです。

この料理はこの間、学部の友人たち、1993~94年生まれの韓国人女子たち、と一緒に女子会という名目で食べに行ってきました。キムビタンも美味しかったけど、彼女たちとのおしゃべりも楽しかった。ぎゃーぎゃー色んな話をしながら、「日韓の若い世代は政治や歴史の話をする必要なんてなく、そうゆう固い話は政治家に任せて、ただ楽しく意味のない話をしていればそれでいいんじゃないか」って漠然と思いました。

お互いの国の事情や歴史を学んで話し合って日韓友好を、とかよく言うけれど、固く考えすぎだし、現実に対して理想的過ぎなんですよね。外交的に仲良くない国同士なんて世界中にいくらでもあるんだし。人間と人間なんだから、他愛もない話で一緒に笑うことができていればそれでいいんじゃないかなって最近は思うのです。

と、脱線。



大学がらみでもう一つ。大学院の授業はお昼過ぎに始まるので、その前にお昼ご飯を買って先輩たちと教室で食べるんです。その際よく利用するのは学校前の봉구스밥버거。ここはライスバーガーのお店でおにぎりよりも大きなライスバーガーをその場で作ってくれてテイクアウトができるのです。

写真のがそれ。中身は色々と選べるのですが、私はシンプルにキムチとツナの甘辛い具が好きです。食べるときは上からギュッと潰して、スプーンで食べます。ボリューム満点でなかなか美味しいです。


キムピタンもライスバーガーも安くてボリュームがあって、そして美味しい。学生街の食文化はどこの国もきっと一緒なんですね。



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2015/09/28

私の秋夕





久しぶりのブログになってしまいました。韓国は今、秋夕休暇の後半。ヨスは何時にも増して閑散としていて、普段たくさん走っているタクシーも今日は数が少なめです。

私も大学院の課題と陶芸で忙しい毎日に休止符を打って、金曜日の午後からドンちゃんと一緒にソウルのドンパパ、ドンママに会いに行ってきました。

秋夕は日本でいうお盆みたいなもの。お墓参りをしたり、ご先祖様にお供え物をしたり、それを家族で食べたりする、伝統的な年中行事の一つです。

ドンパパ一族(光州)はそれを徹底的にやりきる儒教色の強い家系なのですが、一方でドンママ一族(ソウル)は都会的。親戚たちの大半は秋夕休暇は海外旅行にいくので、秋夕の前日に一族が集まって食事会をする程度です。ドンパパ一族の儒教色に疲れ果てたドンちゃんの両親は秋夕はドンママ一族の方に属するので、私たちも秋夕は光州ではなくソウルへ。ドンママとドンパパとおばあちゃんと一緒にのんびり過ごしました。ドンちゃんの友人たちにも会いつつ。


ドンちゃんのパパとママは本当に大らかで優しくて、いつでも私たちを応援してくれていて、帰るたびに「ママ~パパ~ただいま~」って柔らかな気持ちになります。今回も私たちを厚くもてなしてくれました。精神的にとても大変な状態なのに・・・

というのも、ドンちゃん家にはアルツハイマーのおばあちゃん(ドンママのママ)がいます。最近さらに状態が悪化して、介護をするのも本当に大変そうでした。が、やはりママとパパは凄い。ドンパパが掃除と洗濯とお皿洗いをしてドンママを助けながら、同時におばあちゃんの食事の補佐をして、おばあちゃんがトイレに行くときはママとパパが二人で一緒にお世話して・・・二人で協力しておばあちゃんを介護する姿が今回とても印象的で、そこから色んなことを学んだ気がします。


もちろん、ドンママの美味しい料理もたっぷり食べてきましたヨ。料理に関しても色々と教わったのでブログでまとめておこうと思います。


写真は今年採れた新米、韓国語では햇쌀といいます。ドンママが知り合いから美味しい新米をもらったらしく、たくさん分けてもらいました。ちなみ新米と一緒にもち米も分けてもらいました。韓国では普段のご飯に混ぜて良く食べます。


ただ、来月になると光州のおじいちゃん(ドンパパのパパ)からも新米が届くのです。光州のおじいちゃんは自分の土地を貸し出してお米を作らせて、それを家族たちに配るのです。しかしドン姉はもらえません。息子とその息子のみ。儒教色が強い!

と、最後は光州のおじいちゃんをディスしてしまいましたが、おじいちゃんは私の誕生日もしっかりと把握していて必ずお金を送ってくれます。90歳になった今でも家族のことをきちんと把握しているその姿は、まさに、一族の家長。


家族への愛は色んな形がありますね。



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2015/09/21

秋夕の準備





朝と晩を肌寒く感じるようになったので、長袖のパジャマを引っ張り出しました。が、それでも明け方は寒く感じるみたいで掛布団を独り占めしちゃっているみたい。無意識に。半袖短パン姿で寝るドンちゃんはものすごく寒いようで「my baby フドン グダザイ」って起こしてきます。ごめんね。

朝晩は冷える最近、ヨスは、というか韓国は全体的にザワザワしています。特にスーパーに行くと色んな人たちが色んな物を買い込んで忙しそうにしています。なぜか。来週土曜日から韓国は秋夕が始まるから。

我ら夫婦もドンママやドンパパに会いにソウルの実家に行ってきます。ドンママに電話で「ママ~会いに行くよ~」と伝えたらものすごく驚いていたドンママ。「忙しいでしょ?無理してない?」と私たちをまず気遣ってくれます。最終的に嬉しそうに「待ってるね」って言ってくれるのを聞いて、ものすごく嬉しくなりました。早く会いたいな。




というわけで、週末ドンちゃんとドンママに贈る秋夕のプレゼントを探しにヨスの水産市場に行ってきました。というのも、ドンママが前にヨスの煮干しが美味しいって有名というのを思い出したから。
「出汁をとって生きてきた。私の人生は出汁なのよ。」とポエムティックに自分の人生を比喩するドンママのために、最高の煮干しを買うぞといき込んだわけです。

ちなみに水産市場は生魚を買ってお刺身で食べることができるエリアや普通に家庭で食べるお魚が売られているエリアだけではなく、乾物だけを扱うお店が並ぶエリアがあって、そこでヨスの煮干しを買うことができるのです。

一番上の写真が売られていた煮干したち。写真には写りきれてないのですが、14種類もありました。大きさが違ったり、種類が違ったり、用途が違ったり、それぞれきちんと自己同一性を持っていて存在意義があることにびっくり。お店のおばちゃんと話しながら、「50代後半の女性が一番好んで使う煮干し」(爆)というのを教えてもらい、購入しました。どんな煮干しだよって突っ込みたい方のために…下の段の一番左のです。私たちの他にもはやり秋夕のためのプレゼントとして購入しているお客さんたちがいっぱい。ヨスの煮干し屋さん、稼ぎ時だね。




煮干しを買った後は乾物エリアをブラブラ。いろんな干物たちが並んでいて見ているだけでものすごく興奮しました。コンロであぶって、ちぎって、日本酒と一緒に飲んだら美味しいだろうなって。

開いて干している物だけではなく、丸ごと干したものもあって、これはこの地域の得意分野というよりは江原道エリアの伝統芸かもしれないけど。こちらの伝統芸は何かといえば、写真に写っているエイを干したものかもしれません。いろんな料理に使える万能選手らしいです。




水産市場はヨスで一番大きな青果市場に隣接しているので、そちらの方もフラフラしてみました。写真はヨスっぽい光景。ヨスは高菜が有名なのでそれをキムチにしたカッキムチが特産物なのですが、この時期のキムチ屋さんではお店の前に高菜が積まれ、おばちゃんがせっせとキムチを漬ける姿を見ることができるのです。これもおそらく秋夕のプレゼントとして全国に発送せれるんでしょう。

そんなこんなで、ドンママへプレゼントも無事に調達できたし、久しぶりに水産市場をドンちゃんと回れた週末でした。


最後に蛇足ですが、久しぶりに「あの辺の市場」に行って良くわかったことがありました。「あの辺の市場」のあの辺とは、私たちが住むこの辺に対して付けたもの。ちなみにこの辺とはヨス市の中でも大手石油化学系の社員たちが住む地域のことです。

あの辺の市場に久しぶりにいって、ものすごくびっくりしたんです。雰囲気が戦後の闇市というか、なんかボロッとしたパラソルや屋台がぎゅっと並んでいて、そこで売る人も買い物をする人たちもいつの時代なんだろうって思うぐらいに、言い方が悪いけれど汚らしい感じ。そこに嫌悪感は全然感じなかったけれど、違和感は感じました。

というもの、もちろんこの市場には何回も通ったし、同じ風景を同じように見てきたわけです。でも前まではこのような風景や人々を見て「古き良き韓国」というのを感じていたんです。でも、今回分かってしまったんです。古き良きというのは薄っぺらい美辞麗句でそれをはがしたら、「貧困層」以外何物でもないということを。もう本当に貧困そのもの。着ている物もまとっている雰囲気も、私たちが住む地域はもちろん日本では見たことないような感じ。ちなみに、その市場の横にはなだらかな山があって、そこには貧困街が広がっています。何で今まで気付けなかったんだろう。

何で気付けなかったのか、なんで今になって気づいたのか、そこに対する答えは考えてもわからなかったのですが、直感的に思ったことは二つ。日本って何だかんだで一億総中流なんだなってこと。切実な部分はあるし、若年層の貧困化はこれからの日本に深刻な社会問題になっていくのだろうとは思うけれど。もう一つは韓国の格差社会って本当に深刻なんだなってこと。

私はお金に困ったことがない人生を生きてきたので(といってもお金が過剰な生活はしかことないけれど)格差格差と言っても、実感として視覚的にも感じたことがなかっただけだったのかも。どこか、友達の友達の話的な、近くて遠い、そんな距離感だったよなって。パリに遊びに行ったときも貧困層というのを見たけれどそこには人種問題や移民問題があったから、どこかやはり遠かったのかな。

そんなことを週末に考えていました。



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2015/09/18

分かり合えない





先日ドンちゃんと映画を観に行ってきたのですが、とても良かったので備忘録もかねてブログの記事にしてみます。

観てきた映画は「Straight Outta Compton」(HPはこちら、音でます)

この映画はアメリカのヒップホップグループであるN.W.Aの伝記映画。N.W.Aはアメリカでもかなり治安が悪くギャングたちがひしめく街、コンプトンで誕生したグループ。ギャングスタラップの祖として有名らしい。映画を観に行く前に彼らの歌を歌詞を見ながら聞いてみたけれど、やはりかなり過激。いわゆるFワードが満載。

実は映画を観るまではN.W.Aのことを知りませんでした。かろうじて知っているのはドクタードレがいたってことぐらい。彼はエミネムのプロデューサーとして有名だし、彼のヘッドホンは韓国でも流行っていたし。

知らないグループなのになぜ観に行ったかといえば、作品を生み出す人のその奥にはどのようなエネルギーが隠されているのだろう、という疑問が常にあるからです。その作品が音楽でも絵でも陶芸でも文学でも、作り手の彼らを動かすその熱量は何なんだろうってとても知りたくなるから。N.W.Aが何があって、何を想って、過激な歌で表現することにしたのか。






その問いは映画前半ですぐに解かれていきます。というのもこの映画の核心には「白人警察官たちの黒人たちへの差別」という根強い社会問題であるから。映画の中でもロドニーキング事件の実際の映像、つまりロドニーキングが車から降ろされて警察官たちにボコボコにされているあの場面がシンボリックに使われていました。もちろんそこから広がったあの有名なロサンゼルス暴動の実映像も。

今年3月にももミズーリ州で白人警察官が何の非もない黒人青年を射殺した事件がありましたよね。今でもこんな信じられない大変なことが起こるぐらいなので、当時(80年代後半から90年代前半)は今以上にやはり酷かった。警察官たちの彼らへの態度は人権侵害はもちろん人間の尊厳を激しく傷つけるもの。それに対し、黙ることなく「それは間違っているんだ」という警察官たちや社会への批判精神で、彼らは音楽を作っていくんだなってことが映画を通してわかりました。


映画を観ながら、「じゃあ、これから先、このような根強い人種差別はなくなり平和な世界に期待できるのか」という疑問が生まれますが、それに対する答えも映画の中に出ている気がしました。

というのも、白人のマネージャーと彼らの思考回路の違いや価値観の違いがけっこうあからさまに描かれているから。映画を観てる側としてはどちらの思考の仕方や価値観も理解できるんです。どちらの言い分も正しいし、間違ったことは言っていないんだもん。だからこそ、そこに答えがある気がします。つまり、お互い全然違う人間で一生分かり合えないんだぞってこと。最初から分かり合えるという希望は持つなよってことがきっと答えなのでは。

悲壮感漂う結論だけど、それが現実的だなって思う。でも、お互いの価値観が違って、相手に自分の価値観を共有させることはナンセンスということさえ理解できていれば、未来は少し明るくなるのかも。

ギャングスタラップはもちろんヒップホップに疎い私は、この映画をこんな風にしか読み解くことができなかったけれど、アメリカが今でも抱えている問題に対して触れることができたので良かったです。何より、映画館という音響施設で彼らの音楽を聴くことは素人にとってもとても気持ちが良かった。

日本では公開未定らしいですが、韓国では公開中。韓国在住で興味がある人は是非観に行ってみてくださいね。



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2015/09/14

旬の韓国ごはん




週末の土曜日は天気があまり良くなかったのですが、日曜日はカラリとした秋晴れ。朝、カーテンとカーテンの隙間から漏れる陽光がいつもより力強くて、開けた瞬間にドバっと溢れてきて、ドンちゃんと天気がいいねえ~とキャッキャッ喜びました。

せっかく晴れているし、昼ごはんは海沿いのお店へ旬のコノシロを食べに行こうよ!ということで、午前中に二人で洗濯物を片付けて、タクシーに乗っていざ出発。

ヨスの内湾の左側をずっと行くとちらほらとお刺身のお店が並んでいる地域に出るのですが、この時期になるとどのお店も「전어(日本語訳でコノシロ)」と書かれた看板が掲げられています。タクシーを降りた後はお店が並ぶ道をウロウロ、どこも同じなのでピンときたお店に入ります。今回は海を見ながら食べたかったので外にテラスがある食堂を選びました。




コノシロが食べたかったら「전어」というメニューを撰べばオッケー。種類は大、中、小とあり、二人で食べるには小で充分。ちなみに価格は大体どのお店でも小は5000円から6000円ぐらい。

頼んでまず出てくるのは色んな種類のお通し。その時期の旬のものが色々と出てきて、季節ごとに楽しめます。今回はサツマイモやお餅なんかも一緒に出てきました。エイを発酵させたホンオも出てくるのですが、これは全羅南道ならではなのかな。

お通しが終わると、いよいよ本メニューの始まり。まず出てくるのはコノシロのお刺身。上の写真です。新鮮で脂がのってて、ものすごく美味しい。これが旬だね~とドンちゃんと感動。



ちなみに韓国ではコノシロのお刺身は玉ねぎと食べるのが定番です。ここのお店は紫玉ねぎがサンチュと一緒に出てきました。私は生の玉ねぎがあまり好きではないので、このような食べ方はしなかったけれど、ドンちゃんはチャレンジ。玉ねぎの上にお刺身をのせてサンジャンと一緒に包んで食べてました。




お刺身の次に出てくるのが塩でシンプルに焼いたコノシロ。焼かれているから淡泊さもありつつも、脂がのっているので食べごたえがありました。焼魚系はドンちゃんが骨をとるのが得意なので、ドンちゃんにほぐしてもらいながら食べましたが、実際、頭以外は皮も全部食べれちゃいます。




最後に出てくるのが、海産テンジャンチゲとムッチム、そして白いご飯。つまりシメですね。海産テンジャンチゲはやはり出汁が出てるから、本当に美味しい。蟹とコノシロがごろっと入っています。これは自分でも作りたい、自宅でも食べたい。スーパーでは時々蟹が売られているので、テンジャンチゲ用に買ってみようかな。残ったら醤漬けにすればいいし。



一緒に出てくるムッチムも美味しい。ムッチムとは和え物という料理の総称。写真のムッチムはコノシロのお刺身とキャベツなどの生野菜や果物、そしてエゴマの葉を一緒に甘辛酸っぱく和えたもの。おそらく、味付けはコチュジャン、砂糖、お酢が主な調味料だと思います。このムッチムをご飯と一緒に混ぜていただきます。




写真のように、すでに海苔とごま油がセットされている器にご飯を入れとムッチムを好きなだけ入れればオッケーです。ビビンバだね。魚介類を最後はムッチムでしめるのは、割とどこも共通していること。例えば、順天湾で有名な灰貝定食も最後はこれでしめます。甘くて辛くてそして酸っぱくて韓国ならではの味なので、これは是非試してほしいです。


コノシロをたっぷり堪能した後は、秋晴れを堪能すべくドンちゃんとお散歩をして、美容院で私の前髪を切ってもらい、ワッフルと珈琲を飲んで、お家で休んで、運動をして、映画を観に行きました。



お腹いっぱい、充実した日曜日でした。しばらく、コノシロはいいや。



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2015/09/12

変わる自分




キャンパスを歩きながら色ずいていく葉を眺めている時に、ある発見をしました。葉は外側の淵から段々と黄色や赤に変化しているんだということに。

てっきり、中心部分からじわじわと外に広がっていく感じで変化しているのだと思っていた私は、この発見にびっくり。でも、なるほどなってすぐに腑に落ちました。自然も人間も知らぬ間に、少しずつ変化しているものだもん。その変化が内側に達したときに初めて自分が変わったことに気づくもんですよね。




変化といえば、陶芸。7月から新しく通わせてもらっている先生のもとで、利き手と回転方向をバッサリと逆に変えた私。今まで2年間やってきたことをひとまず隅に置いて、逆の手で逆の回転で轆轤をすることは本当に大変でした。

轆轤の練習をする場合、初めはまず少量の土で中心を掴む練習からして小さいものから挽いていくものです。しかし、私の場合、かなり重量のある5キロの土で大きな壺や鉢を挽く練習から始まりました。これ、今までやってきた左手でも、かなり難しいことなのです。それを初めてやる右手でやるのだから、最初は全然できなくて、ものすごく歯がゆかった。回転方向にも全然慣れなくて、毎回指が回転に持っていかれてしまってました。

けれども、先生の「今までの二年間があるのだから、一か月間頑張ればすぐに慣れるよ」という言葉を信じ、毎回力がもう出ないというところまで挽き続け、ジムで筋トレも頑張り、心が折れそうなときは半分開き直り、1ケ月半続けたところ、まず自然に体の重心を置けるようになり、手が迷うことなく自然に動くようになり、回転方向に指が負けなくなり、遠心力を使って土を形成する指先のあの感覚が戻って来ました。ようやく、先生の助けがなくとも、一人で5キロの土を操れるようになりました。つまり、新しい手と回転に、慣れたのです。

慣れたというか、慣れていたことに「気付いた」という表現が正しいかもしれない。がむしゃらに取り組みながら、一か月で慣れるなんて絶対に無理だ、私の場合3か月以上はかかるだろうなって思っていたので、慣れてきている自分に実感すらなく、しかしながら、いつのまにか慣れている自分がいてすごく驚きました。

変化は突然やってくる。いや、突然の変化なんて、ない。じわじわと変わっていく自分に気付くことができず、変わりきった時に「あ!」と変化を実感するもんなんだ。、紅葉していく葉と自分を重ね合わせながら、そんなことを思いました。

だからきっと、語学とか勉強とかその他もろもろ、自分や自分の今の実力を変えたくて踏ん張って取り組んでいても、なんだか成果が出ないな~って思っていたとしても、実は変わりかけている途中であって、きっとすぐ先には実感として感じることができるその時が待っているのかもしれません。


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2015/09/11

思いやり






昨日は少しだけ忙しい日で、お昼ご飯をしっかりと食べる時間もなく、レーズンとかナッツなんかが入っているエナジーバーを片手に、バスを待ってたんです。授業をすべてこなした後、陶芸に行くために、学校前のバス停で。

ふと、「my baby、授業はどうだった?ご飯食べた?」というドンちゃんからのメッセージが来ていたなって思い出して、授業が終わって今から陶芸にいって来るよって返信して、音楽を聴きながら27番のバスに乗り込みました。


いつものバス停で降りて、耳に入っていた竹内まりやの声を切ろうと思ってスマフォを出したら、ドンちゃんからの返信が。


楽しく陶芸をして、帰っておいでね、my love~^^


という短いメッセージだったのですが、ドンちゃんの私に向かう愛がそこにギュッと込められていて、読んでいてキュンとしました。

というのも、実は昨日はドンちゃんよりも私の方が帰りが遅い日。そんな日はドンちゃんが洗濯機を回して夕食の準備をして私を待っててくれます。これって結構大変なことなんですよね。帰宅後に一息つく暇もなく、洗濯機を回してお米をといて料理して、と慌ただしく過ごすと、夕食後は思った以上に疲れている自分がいるんですよね。私なんかよりも精神的に疲労困憊で帰宅しているだろうドンちゃんはきっとなおさらなんじゃないかなって思う。

私が陶芸で遅くなるからこそドンちゃんはこの日大変なのに、そうゆうのをおくびにも出さずに、さらには「楽しんできてね」と快く送り出してくれる、心が広くどこまでも私を想っていてくれる彼が、さっきの短いメッセージに見えたのでした。

相手への思いやりってこうゆうものなんだなって、ドンちゃんを見て思います。

ちなみに一番上の写真がドンちゃんが作ったディナーです。オムライスにサラダ。オムライスにはウインナーとしいたけと玉ねぎ。具材はバターでいためて、卵には牛乳を入れるのが彼のこだわりです(爆)




夕食を食べた後はお酒と映画タイム。アメリカ産の白ワインで。今週はマトリックス三部作を消化しました。

マトリックス、面白いけれど、心がえぐられる映画ですねえ。公開当時、アメリカで自殺者が多発したと聞いていましたが、今ならその現象がなぜ起こったのか、自殺した人の心境がわかります。今生きている現実や信じている目の前にあるものが仮想世界だったなんて、そして自分の存在もすべてそこに依拠しているだなんて、残酷すぎる設定ですもん。普段からそう考えている人が観たら「やっぱりね、じゃあ死ななくちゃ」って確信的に自殺しちゃいますよね。


と、そんな話をドンちゃんとして、一緒に就寝した夜。そんな昨日は、数年前に私たちが初めて出会った日でもありました。


そういえば、ドンちゃんと付き合って二回目のデートは映画鑑賞でした。予めチケットを予約してくれていたドンちゃんに「私の分は私が払うよ」って言ってお財布を出したら、そんな私に驚きつつもにっこりと笑って「僕がshiinaに映画を見せてあげたかったんだよ。だから大丈夫だよ。」と言ってくれて、それに私はキュンとしたんだよなあって思い出しました。


その当時からずっと変わらず、私を思って、思いやっていてくれるドンちゃん。

いつも本当にありがとう。
あなたを見習い、もう少しやさしくなりますね、私(爆)




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2015/09/07

ジャスミン





先週は毎日傘を持ち歩かねばならぬほど、陽が差していると思った瞬間ににわか雨が降るという女心な天気。今週こそは秋晴れを楽しみたいのだけれども、どうなることやら。朝から涼しい風が吹く月曜日の今日は、やはり雲行きが怪しい感じもします。


さて、先々週の週末のことになりますが、ドンちゃんと一緒に朝一の飛行機でソウルに行ってきました。飛行時間は50分、ドンちゃんとソウルで何を食べるのかを会議しているとあっという間に到着。

といっても実はこの二週間前にもソウルに遊びに行っていた私たち。その時は仕事でサウジアラビアに駐在しているドンちゃんの親友が韓国に一時帰国していたので、彼に会うのが目的。でも今回はドンちゃんの友達ではなくて、私の友達に会うのが目的でした。


友達とはシンガポール人のジャスミン。留学時代の大切な友達。彼女はシンガポールで会計系の会社に勤めていて、今回、出張でソウルに来るので会えないかとメッセージをもらったのです。もちろん一つ返事で、「会おう!私がソウルまで行くよ!」とすぐに伝えました。海外在住、とくに日本以外の国に住んでいる友人たちとは年に1回会うのも大変な状況なので、多少のことを犠牲にしても会う機会を作るのが鉄則です。

ジャスミンは実はヨスにも来てくれたんです。ブログでもココで書いています。この時から会っていなかったので、約2年ぶりの再会になりました。

ヨスに来てくれた時はジャスミンは入社前。学生最後のバカンスだったはず。社会に出て、国際部で毎回いろんな国を出張で回っている彼女。もしかしたら…ちょっと変わってしまったところがあるのかもとどこか不安を持っていたのですが…

全然、何一つ変わっていなかった。あの時のままの笑顔で、あの時のままのバランス感覚。肯定的な物腰に、優しい瞳。けれども自分の感覚的なものや、自分の人生を楽しくしてくれるもの、をかならず守る芯の強さ。何も変わっていませんでした。

変わらない大好きな彼女に会えた喜びが体から溢れてきて、嬉しくて、嬉しくて、彼女に抱きつきながら思わず「you are still young」という言葉が漏れました。そしたら「you are still young,too!! あなたの笑顔も何も変わっていない、すぐにShiinaだって分かったもん」と二年前よりもずっとうまくなった韓国語で答えてくれた。この彼女の言葉が、今回ものすごく心に響いたんです。会えなかった二年間の私と今の私をまるごと肯定してくれているようで。

感動の再会を果たした後は、散歩して、メキシカン料理を食べて、コーヒーを飲んで、またぶらり散歩して、彼女をホテルまで送り、バイバイ。また絶対に会おうね、それまでは体に気を付けて元気でいてねって約束しました。短い時間だったけれど、会えて本当によかった。

彼女と会うたびに、留学時代に彼女と過ごした時間が蘇ってきます。同時に今を一生懸命真剣に生きたいとなって思える。若い時に知らない土地で新しい友人たちと付き合いながら色んなことを乗り越えてきた時間って、安定していて家族がいて困難も特にない今という時間にいる私を、奮い立たせてくれるものなんだと、思えます。

それにしても、ジャスミン含めシンガポール人の友人たち、チャイニーズ系もマレー系も、その性格の良さには毎回驚きます。皆ニコニコしてて優しくて大らか。シンガポールの教育って徹底した学力別コースを導入していることで有名だけれど、彼女たちが幼いころからずっとそのトップに君臨していたことを考えると、案外いい教育システムなのかなとも思えます。


さて、ここまで写真もなく長文をダラダラと書いてきましたが・・・今回のソウルでジャスミン以外の第二の目的もありました。それはイケア。




私が所有する本の数が溢れまくっていたので、大きな本棚が欲しかったのです。ドンちゃんと初イケア、とっても楽しかった。レストランで食事したり、ショールームをワクワクしながら堪能して、結果満足するお買い物ができました。2メートルの大きな本棚を二つ購入。





実は第三の目的もありました。それはORENOに行くこと。日本の、俺のフレンチとイタリアンがソウルに進出したのです。ワインを飲みながら、ちょこちょこっと色々と頼める飲食店って、ソウルで探すのが難しいんですよね。しかもリーズナブルで美味しいって条件だとなおさら。

ここはそれをすべて叶えてくれる素敵なお店。ドンちゃんが大のお気に入りで、すでに二回目です。おそらく今月も行くと思われます。

そうそう、ここのアヒージョが美味しくて家でも試してみました。仕上げにガラムマサラを加えて、カレー風味で。美味しかった。



と、最後は食の話になってしまいましたが・・・ジャスミンにも会えたし、イケアにも行けたし、美味しいものも食べれたし、夏休み最後のとっても有意義なソウル滞在でした。ソウルは良いね、ヨスや光州という地方都市にいるとソウルのその良さが身に染みてわかります。小さいころから東京が身近にあった私は、やはり色んなことの中心であるその国の首都を求めてしまう。ヨスよりも都会だけど釜山に魅力を案じないのはそのせいです。


が、地方暮らしならではの楽しさもヨスで実感していることは確か。そろそろチョノというお魚のお刺身が美味しい季節。海辺のお店に食べに行かないと、とドンちゃんと話す私はやはりヨス暮らしを満喫しているのでしょう。





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2015/09/04

始まりの九月





夏から秋へ。日差しをいっぱい吸収して光る油絵具の季節が過ぎて、クレヨンで描いたような優しくて深い色合いの季節がやってきました。

私も新学期。毎朝大学の側のカフェで一杯100円のホットコーヒーを飲みながら授業の準備をする毎日が、教授の話を韓国語で聴きながらノートは日本語でとる毎日が、帰りのバスで夕飯の献立をたてる毎日が、始まりました。

先学期と違うのは、授業が終わったらそのまま陶芸に直行すること。さすがに疲れるかなって思ったけれど、今週一週間やってみて、なんとかできそうだなという感覚が生まれました。プレゼンや課題前はさすがに厳しいけれど、両立はできそう。





そうそう、今学期も学部の授業を履修しなくてはいけなくて、忙しくなりそうだなって少し憂鬱だったけれど、さっそく韓国人の女の子と友達になりました。

彼女がまた面白い。海洋生物学部で、なんと、10歳まで釜山で育ち、父親の仕事の都合で光州に来たとのこと。慶尚南道から180度違う全羅南道にしかも多感な時期にやってきたとか、すごい!両地域はもう何もかも全然違うのです。今でも両地域を結ぶバスの本数は圧倒的に少なく、人と人の交流も全然なし。なので、釜山から光州に来るってかなり大きな変化だったのではないかと予想します。ゆえに、彼女が自分とは何かというのを考えた時、絶対にこの時の出来事が大きなポイントになっているはず。彼女の人格形成にどのような影響を与えたのかな・・・話を色々と聞きたいな。彼女は何を考えているんだろう。他の学生とは少し違った、やはりどこかアウトサイダーな雰囲気を出す彼女と今学期一緒に勉強出来ると思うと気分が晴れます。楽しみだ。


そんなこんなで、にわかに忙しかった私の今週。お家にいる今日は、手洗い用の洗濯物を片付けて、早速出されたレポートと課題をこなしながら、夕飯の支度をしようと思います。今日は余った生クリームとマカロニでグラタン作って、アスパラガスとパプリカはサイドディッシュにして…夕食後はおそらくレイトショーで映画を観に行くので、お腹にポップコーンが入る余裕を作っておかなくてはね。



写真は我が家のキャンドルたち。秋の夜だし、キャンドルナイトを開催しています。ドンちゃんと二人で寝る前にぼーっとこの光を眺めるとよく寝れるのです。