窓を開けた瞬間から、蝉の声が耳に届く朝。梅雨は終わり、本格的な夏の到来かしら。と、思いながらシーツを剥ぎ取り、洗濯機へ。太陽の下に洗濯物を干すことが久しぶりで、嬉しいです。
さて週末はまたドンちゃんとソウルデートをしてきました。来月日本から両親が来るのでホテルの下見も兼ねて。でも一番の目的はクラシックコンサート。(写真はコンサート会場にあるカフェで。ホテルで朝ごはん食べたのに、バナナケーキを食べてしまった。。。カフェインもこの日だけ解禁)
今回も前回と同じコンサートホールで。土曜のお昼なので、2時間で4曲という軽めな構成です。指揮は최 희준、演奏はKBSシンホニーオーケストラ。
曲はトランペットによるファンファーレが有名なスッペの軽騎兵序曲、ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲(ピアノは이진성)、休憩を挟み、コーダイのガランタ舞曲、ボロディンのオペラ イーゴリ公ポロヴェツ人の踊り、です。
ちょうど、ナボコフの賜物を読み終わったところだったので、ロシア革命で亡命せざるおえなくなったラフマニノフに関心があったのですが、結果的にコーダイのガランタ舞曲が一番惹かれました。コーダイはハンガリー出身で民族音楽学者でもあるため、ガランタ舞曲もハンガリーの伝統音楽の要素が含まれているのですが、東欧という土地柄か西洋と東洋がうまく溶け合っているようで、それが心に響くというか。日本人が聞いてもどこか哀愁を感じる、懐かしく切ない気持ちにさせられました。
もちろんラフマニノフも良かった。聴きながら、音楽も文学も一緒なんだなーっと思いました。核になる部分を音にするか、文字にするか、音楽にするか、物語にするか、どちらも洗練させなくては芸術作品にはならないところ。
席は舞台近くの左側を取ったのですが、マエストロの表情がよく見えました。今回のコンサートではそれが一番良かった。マエストロの一瞬、その瞬間だけを信じる姿、そこにのめり込む姿、そこに身を捧げる姿。その姿からは人生に対する肯定感と祝福が溢れ出していて、美しく輝いているように、私には見え、感動で泣きそうになりました。美しすぎる。
そうそう、論文執筆のため読むのを中断していた、ナボコフの賜物、ようやく読み終えました。長かった。でも読んでよかった。亡命ロシア人のドイツに対する想いとか閉鎖的なコミュニティーや祖国の文化を異国にどう持ち込むのかという葛藤、を感じた。何より、読めば読むほどナボコフの鬼才ぶりに圧倒された。どんな表現でも芸術の域まで高めることができる天才。
脳内と現実には境界線がないからこそ、それを映像ではなく文字で表現することは難しいと考えるのですが、彼はいとも簡単にそして自由に飛ぶように踊るようにその境界線を跨ぐ。私はそれについていくのに、最上級の集中力で臨まなくてはいけなかったけれど。それを体験することができただけでも、私の人生は豊かになったと思える。とても大きなインスピレーションをもらいました。
今はフアン・ルルフォのペドロ・パラモを読んでいます。フアン・ルルフォはあのガルシアマルケスやバルガスリョサに影響を与えた(すごすぎ!)、南米文学を代表する偉大なる作家の一人。ガルシアマルケスもリョサも大好きな作家なので、ペドロパラモを読み進めるのも楽しみです。
これが読み終わったらルーマニア人作家である、エリアーデのマイトレイを読む予定。インドに留学したルーマニア人の青年と現地のベンガル娘との恋物語。これだけで、熱い!
良い音楽と良い文学に今のうちにたくさん触れて、自分の次の世代に薦めていきたいです。最近はそんな使命感ともいえぬ想いが湧いています。
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お久しぶりです。さおりです。
返信削除この記事を読みながら気になっていたのですが、instagramの投稿を見て私まで幸せな気持ちになりました。
しいなさんを追っかけて、もう随分経ったんだなぁと改めて感じました。
昔からブログを読ませてもらっているので、いろんなことが思い出されます。どんちゃんさんの喜ぶ姿を想像してみたり、しいなさんが前にいろんな葛藤?を抱え(←適切でなかったら申し訳ないです。)それを乗り越えて、決断をしたこととか…勝手に感慨深くなってました。
でも嬉しいです。私まで本当に嬉しい。
コメントが長いので、instagramには不向きなのでこちらにさせてもらいました。
毎日 暑いですが、お体ご自愛くださいね。
さおりさん、わざわざこちらの方にコメントして頂いて、本当にありがとうございます!すごーく嬉しいです!永久保存したいぐらい!
返信削除ブログを書くと、自分が書いたことがそのまま伝わるわけではないんだなってことが否応なく分かるのですが、頂いたコメントからさおりさんにはそのままの形で伝えることができているんだなと分かり、、、とても感動しました。
そうなんです、葛藤をして悩み考え、人生の選択をしました。(いずれそのへんもブログで書きたいのです)最初は漠然とした不安もありましたが、今は自分が想像もできなかったこの新しい世界での毎日が楽しく、一瞬が全て輝いているように思えます。ふとした時に感じる幸せ、どんちゃんがくれたこの幸せを大事に大事に感じながら、残りの日々も過ごしていこうと思います。
さおりさんのご想像通り、ドンちゃんはとっても喜んでいます!さおりさんは、今はタイですか?羨ましいです、タイには行ったことないのですがタイ料理は大好きです。本場はやっぱりもっとおいしい
でしょうね。美味しいものたくさん食べてきて下さいね!インスタのお写真も楽しみにしています^^タイも日本も暑そうですね、、、さおりさんもどうか体調を崩さず、旅行を楽しんで下さいね。
ブログを読んでコメントする。
返信削除些細なことかもしれませんが私にとっては幸せな時間です。
だから今回のことも想いをそのままの形で受け取れたようで嬉しいです。
前の記事を読んでいたときはちょうど何かを得ようとするなら何かを捨てなければいけないのか…年齢的にはタイムリミットは迫ってるようだけど今の私は…とかいろんなことを考えてる時期だったんです。
しいなさんとは立場も環境も違いますが、同じようなことを考えていて、でも今の新たな世界が輝いて見えるのは、今までのしいなさんの積み重ねだからなんだと思います。
これからが楽しみですね。ブログを読むのが楽しみです。
タイから帰ってきました。旅の備忘録を書くのは苦手ですが、今回は書いてみたくなりました。
いつかしいなさんもタイに行けますように。本当に面白いところでした。
おかえりなさい!
削除コメント、嬉しいです。私もお返事を書きながら自分の思考も整理でき、新たに発見することもあり、とても意義のある時間を過ごしています。お互い別のことで悩みながら、さおりさんとブログを通して共感できること、、、私の理想としていることでもある気がします。お互い形は違っていても、深いところで抱えているものは一緒だというか、そうゆう共感という経験をまさかブログを通してできるとはおもっていなかったので、とても嬉しいです。私の中で、そういった共感は芸術に触れることでしか体験できないと思っていたので。
これからのこと、未知ですね!きっと大変なんだろうとは思うのですが。。。でもその都度思ったことや考えたことをまたさおりさんと共感できたら嬉しいです。お互い状況が違っていても、きっと根っこは繋がっているを信じているので!
無事にタイから帰国されて、何よりです。是非旅の記録を読みたいです!楽しみにしていますね^^旅の疲れも残っているでしょう。暑いので無理せず、過ごして下さいね。