今年の誕生日は、ドンちゃんから一編のエッセイを贈ってもらいました。ドンちゃんが私をテーマにして書いたもの。いつもお手紙だったので、少しびっくり。でも、とても嬉しかった。
そのエッセイでは、光を分散させるガラスの多面体「プリズム」を私に喩えて、言葉を綴っていました。
彼女はプリズムによく似ている
どんな事象が来ても、彼女らしい、多彩な解析をする
本質を最初に見極め、彼女独自の方法で、物事を見るのである
これは 純粋なガラスの現象を走るプリズムが 多様な色を生み出すということであり、
彼女はこれと素晴らしく一致する
と、すべての内容はここには書けないけれど(こっぱずかしい)彼らしい発想の元、彼らしいロマンチックな表現を使ったエッセイでした。彼の眼に映る私というものがよく見えた気がするし、何よりも私を見るその眼差しの温かさを感じました。
最近、人は受動的に生まれてきたからこそ、人と人との関係の中でしか自分の存在根拠を感じることができない生き物だよな、と思うのです。そう考えたとき、常にそのままの私を見返りなく愛してくれるドンちゃんこそが、私の存在根拠を作ってくれているんだよな、と感じます。
と、エッセイだけではなく、もちろん(笑)、プレゼントももらいました。「何がほしい?」と聞かれていたのですが、先月の記念日のサプライズでも素敵なものを贈ってもらったばかりであったし、「うーん」と悩んだ末にリクエストしたのが、これ。
池澤夏樹が個人編集した世界文学全集です。弟の本棚にあるのを見てから、ずっと欲しかったんだけど、1冊がなかなか値がはり、なかなか買う機会がなかったのです。
が、誕生日だし、30巻全巻は無理だけど(9万円)、10冊ぐらいなら!と思い、熟考の末に
コンラッド「ロード・ジム」
カプシチンスキ「黒壇」
カフカ「失踪者」ヴォルボ「カッサンドラ」
ナボコフ「賜物」
エリアーデ「マイトレイ」モラヴィア「軽蔑」
ディネセン「アフリカの日々」チュツオーラ「やし酒のみ」
フラバル「私は英国王に給仕した」
ニザン「アデン、アラビア」ルオー「名誉の戦場」
日本文学全集から
大江健三郎
近現代詩歌
を選び抜いたのでした。このリストを読んでも、我ながら偏りがあるというか、辺境の地の作家が好きだな。。。とつくづく思う。。。
この中で特に楽しみなのは、ポーランド人の作家カプシチンスキがアフリカについて書き上げた「黒壇」と、原典からの初邦訳であるロシア人作家ナボコフの「賜物」と、インドを舞台にしたルーマニア文学のエリアーデ「マイトレイ」と、アフリカを舞台にしたデンマーク文学のディネセン「アフリカの日々」と、中欧文学の巨匠であるフラバルの「私は英国王に給仕した」です。
自分の本棚に並べて、うっとりしています。ああ、美しい。。。いつか必ず全集集めよう。
本が好きだけど、なかなか簡単には手に入らない環境にいるので、こうやって一気に買って、読みたい本を自分の身近に置くことは、何よりの贅沢です。
ドンちゃん、ありがとう。(エッセイも、爆)
最後に、私のお誕生日にドンちゃんに電話をかけたドン爺(ドンちゃん祖父)が「shiinaの誕生日だね、shiinaを大切にするんだぞ」と、ドンちゃんに声をかけたそう。胸に響きました。
ドン爺、ありがとう!
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