My everyday life from Yeosu/여수/麗水, Korea.


2015/11/27

韓国の若者たち




昨日は全国的に雪が降った韓国。ピーコートを着こみ、大判の分厚いストールで首元をグルグルにし、皮の手袋をして家を出たのですが、やはり寒かった。友人たちの中には、すでにダウンを着ているこも。私もそろそろ着ようかなと検討中です。

写真は私が使用しているスマートフォンの待ち受け画面。雪が降った日は、画面にも雪が降るのです(雨の日は雨が降る)画面の上から下へ、ハラハラと柔らかく降る雪が、現実世界よりも綺麗だったので、写真に収めてみました。ちなみに待ち受け画面の写真は、インドネシアのお面たち。美術館で観て以来、興味を惹きつけられています。


さて、最近の韓国で話題の新造語があります。それは「헬조센(ヒルチョーセン)」、これ、今の韓国の社会情勢を色んな意味で表している言葉なんです。どんな意味か分かりますか?

헬조센の헬(ヘル)は地獄の「Hell」、조센(チョーセン)は朝鮮の日本語読み(韓国ではチョーソン)、意味はそのまま、「地獄の朝鮮」です。自国をディスしています。

この言葉が最初に作られたのは、韓国の所謂2チャンネルである디시인사이드という掲示板サイトで(良くも悪くも)有名な역사갤라리という掲示板の中。

ここの掲示板では歴史の共通認識として、李氏朝鮮という国はゴミのような無能な国だったというものがあります。このような認識を元にして、この朝鮮と現在の大韓民国は大きな差異もない、つまり今のどうしようもない韓国の社会状況が地獄のようであり、昔の朝鮮王朝と変わらない(政治のことなのかなと思うのですが)という理由から、今の韓国を헬조센と名づけた言葉らしいです。

なぜチョーソンではなく、日本語読みのチョーセンなのかは、おそらくより韓国をディスするためでしょう。「チョーセン」という言葉に韓国人は差別意識を感じるのは確かなので。あえて、それを選んだんだと思う。

この言葉に共感できる言う人が若者を中心にかなり多かったため、ネットだけではなく、テレビや新聞でも紹介されるようになったというわけです。

ちなみに東亜日報の月刊新東亜11月号には、20歳から39歳までの韓国人対象のアンケートがあって、

私は韓国が嫌いだという言葉に同意するかとの問いに

44パーセントが同意
7パーセントがとても同意
43パーセントが同意はしない
5パーセントがとても同意しない

と答えていて、

韓国について、否定的に考える理由は何かという問いに

国が良くなる希望がない

と、諦めている人が50パーセントを占めていることに、驚きました。

個人が抱える問題は所得格差だったり、就職先がなかったり、競争がひどかったり、共同体意識を感じることができなかったりと、人それぞれなのですが、やはり根底には国に対する不満と失望する気持ちがあり、だからこそ、若い世代で헬조센というような言葉が生まれ、共有されるようになったんだな~って思いました。


ちなみに

そのような背景から来る헬조센という造語に危機を覚えるのが政府。ゆえに、「歴史教科書国定化」をしなくてはいけないと主張するわけです。自国の歴史にプライドを持てるように、「教科書」を指定すれば、このような問題は起こらないのだと。

いやいやいや、教科書で解決できるわけがないじゃん。そもそも教科書というコンテンツがインターネットで情報をすぐに受け取ることができる今現在において、学生にとって重要度をしめていないことは明らかだし、そもそもの問題の根底が「自分の国の歴史認識」にあるわけではないのだから。


と、そんなことをドンちゃんと話しています。いつも思うけれど、韓国は世代間の対立が大きいなって。若い世代は本当に大変だよなって思う。


そういえば、昨日は金泳三元大統領の告別式から下棺の様子をテレビで中継していました。火葬じゃないから、下棺です。棺桶をそのまま土に埋めるのです。

光州のバスターミナルでその中継が流れてて、高齢者たちが一生懸命見ているのが印象的でした。バスの中のテレビでもおばさんたちが身を乗り出してみていたし、タクシーのテレビでも信号待ちになるたびに、運転手さんが見ていた。

一方、若者たちは見向きもしなかったのも印象的。ドンちゃんに金泳三元大統領の印象を聞いたら、「IMF通貨危機のときの大統領」というかなり否定的な答えが返ってきた。


ここでも世代間のギャップを感じたのでした。



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