My everyday life from Yeosu/여수/麗水, Korea.


2015/10/12

人生って


韓国で一番高い山、雪岳山に初雪が観測された先週末。例年よりも6日ぐらい早いらしく、その日を境にして10度以上気温が下がった韓国。昼間もトレンチコートが手放せず、夜はストールを首元にまかなくては風邪をひきそうな寒さ。

世の中がいきなり晩秋になったと同時に、左腕に鈍くて重い神経痛が発生したのが私の先週末。その週は色んなことが忙しく、本来なら左背中の痛みをストレッチでほぐしていただろう私がそこにはいなかった。つまり精神的余裕がなかったのです。

いきなり寒くなり、いきなり左腕が痛み出した先週末、私は30歳になりました。それはいきなりではなく、周到に準備された計画的な訪れのような気がするけれど。

とにかく、私は30歳になりました。




誕生日の朝は、ドンちゃんがお花をもって私が起きるのを待っていてくれました。どうやら、私よりも早く起きて、お花屋さんに買いに行ってくれたみたい。そしてお花屋さんと同時にスーパーにも寄ってくれていたみたいで、誕生日膳を作ってくれていました。




韓国の誕生日と言ったら牛肉とわかめのスープ。乾燥ワカメを初めて使ったらしく、量の調整が難しかったそうで…確かにワカメのボリュームが何とも言えなかったけれど、とても美味しいスープでした。




ワカメスープのお供にはドンちゃん特製のマッシュルーム入りの卵焼き。ケチャップでハッピーバースデイと書いていています。マッシュルームは里芋のポタージュを作る時に使おうと買っておいたものだったけれど…良しとします。これも美味しかった!

誕生日膳を食べた後は二人で散歩をして、のんびりというわけにもいかず私はリーディングリストとレポートを片付けました。その間ドンちゃんは読書。

プレゼントは欲しいものを二つリクエスト。まだ手元には届いていません。




夜は天ぷらを揚げました。サツマイモ、ごぼう、海老、茄子。前日からお家の天ぷらがすごく食べたくて、ならば自分のために揚げようと思いついたのでした。誕生日はいつも母にリクエストしていた私だったのに、いつも間にか自分のためにドンちゃんのために誕生日の夕食を作る私になっていた。

寝る前にはドンちゃんが書いてくれたお手紙を読んでくれました。特に印象的だった部分は「僕たちらしく生きていけば、怖れるものはなにもないね、my babyと一緒ならば、きっと。」と綴っていたところ。ドンちゃんも一人では怖いんだなということを感じました、私も一人では怖い。でも、怖がりの二人が一緒になることで、この世界を生きていけるんだなーって思うと、なんてピッタリな人と出会うことができたのだろうと嬉しくなりました。

完璧じゃない二人だし、二人になったところで完璧ではないけれど、でも一人では生きていけない世界を二人では生きていけるだなんて、本当に素晴らしいと思う。


今年もドンちゃんのおかげで、やはりロマンティックな誕生日を迎えることができました。いつもいつも、本当にありがとう、ドンちゃん。ドンちゃんの深い愛に包まれている毎日が私にとって誕生日。




30歳、人生で一つの節目のように感じるけれど、どうなんだろう。

私は、30年も人間をやっているということにうんざりした気持ちが正直ありました。流れていく時間に抗うことができない人間の無力さを実感するたびに、人生に希望なんてないと思ってしまいます。それはドンちゃんといる今がすごく幸せなこととは何一つ関係していません。家族に支えられているのにいきなり自殺する人の精神と一緒で、人生の絶望と愛にあふれた生活は違った世界にあるからです。

夢もある、目標もある、そのために頑張っている、そしてドンちゃんもいる。でもどこかで人生って悲しいものなんだよなって思う自分がいる。そう思う自分は正真正銘の自分。そんな人生を30年生きてきた自分を解放してあげたい気持ちになる、鳥になりたいなって。もうこれ以上、人間として生きられないよって。

でも、30歳を迎えた今、人生は希望もなく悲しいものだからこそ、なるべく楽しいことだけをして生きていこうとも思う。なるべくストレスを受けずに、他人や社会が決める楽しさではなく、私とドンちゃんが決める楽しさを求めて生きていこうって。


これが悟りの境地なのかわからない。でも40歳を迎える時、人間っていいなって少しでも思う自分でいたい。

そして深く考えてしまう自分が少しでも良い方向に改善されていればいいと願う。



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4 件のコメント:

  1. はじめまして。そして、お誕生日おめでとうございます。
    以前に、「韓国 陶芸」と検索していた際、本当にたまたまこちらのブログに辿り着きました。綺麗な写真、まっすぐで透明な文章に惹かれ、それ以来時々訪れては拝見させていただいています。

    私はshiinaさんより年上ですが、不思議な縁で第三国にて彼に出会い、もうすぐ三年が経つ今、春の結婚に向けて準備をしているところです。でもいまだに私も、どうしてこんなすてきな人に出会えたのかと感動することがあります(笑)。私も彼もそう社交的でもなく、マイペースですが、ふたりでいることが本当に好きなんです。
    一方で、異国で暮らしていくことき対する不安も、どうしても拭いきれずにいたり。韓国という外国で、少しでも私らしく生きるにはどうしたらいいんだろうと、この年で恥ずかしいですがよく考えます。
    美大で油絵を描いていたりもしました。何とか自分が楽に呼吸ができることに触れ続けていきたいと思いつつ、その難しさを実感したり。。その流れで、韓国で陶芸など習えないものかと思い立った時に、こちらのブログをたまたま知ることができました。

    とりとめもないですが、、また、時々お邪魔させていただくかと思います。何となく、shiinaさんのブログは今の私にとって、ある種の道しるべのような存在なのです。あの国でこうして生きている方がいるんだと思うと、、希望が持てるような気持ちになるのです。長文、失礼いたしました。

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    1. asaさん、初めまして!コメントそして、誕生日を祝ってくださりありがとうございます。

      来年の春にご結婚されるのですね、おめでとうございます。しかも韓国の方、そしてご結婚後は韓国に住まわれるのですね。私はまだ結婚してこっちに住んで3年目で、人間自体も小さいためにあーだこーだ言える立場ではないのですが、でもasaさんが書いてくださったコメントの「私も彼もそう社交的でもなく、マイペースですが、ふたりでいることが本当に好きなんです。」という部分を拝読する限り、きっと韓国でも日本でも第三国でもどこでも大丈夫なお二人なのではないかなと、感じました。
      結婚して海外で暮らすことに不安はつきものですよね。この不安は一人では決して解決できるものではなく、相手と一緒に一つ一つのりこえていくしか手段はないと私は思うのです。きっとお二人ならそれを自然にできるのだろうなと文面を通して思いました。
      美大で油絵を描かれていらっしゃったのですね。じつは最近、私も心に抱える悲しみや人生の儚さといったものを油絵で表現できたらいいな、と思っていて、時間が出来たら習いに行ってみたいと考えていたのです。またasaさんが陶芸をされたいというのも、なんだか縁のような気がしました。陶芸はドフトエフスキーを読むような、苦しくも内省しながら自分の心の闇に近づくことで、自分自身を解放できるものだなといつも思っています。とてもオススメです。

      いつでもまたブログを読みにいらしてください。道しるべだなんて光栄ですが、asaと一緒に並んで道を探す、そんな存在になりたいです。またお待ちしています^^

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  2. 遅くなりましたがお誕生日おめでとうございます^^
    「僕たちらしく生きていけば、怖れるものはなにもないね、my babyと一緒ならば、きっと。」
    素敵ですね。ジーーンときました(感動)
    私もいつかshiinaさん、ドンちゃんさんのような素敵なご夫婦になりたいと思いました^^
    30歳も幸せあふれる1年でありますように^^

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    1. ayaさん、コメントありがとうございます!そして祝福のお言葉も!とても嬉しいです。30歳、楽しい1年にできたらと思います。
      わたしたち夫婦、土日は昼寝をして過ごすような、決してayaさんが思ってくださっている素敵な夫婦ではないのですが、そう言って下さって、私もジーンときました。
      素敵な夫婦目指して精進しますね^^

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