ヨーロッパの観光地を旅すると、ヨーロッパや北米の観光客たちがアジアからの観光客に比べて圧倒的に家族連れであることに気づく。もちろん、地理的に気軽に行けるから当たり前のことなんだけど。でも、ベビーカーを押しながら若い夫婦が旅を楽しむ姿や、小さい子と一緒に現地のレストランで食事を楽しむ家族はとっても素敵だし、それを当たり前のように受け入れる観光地や現地の人々もさすがだなと思う。これぞ欧州の余裕なのかな。
一つの観光地で色んな国の家族を見ることは、私にはとっては新鮮で価値があり、インスピレーションを与えてくれることでもあります。
今回の旅で特に印象的だった家族は、シエナの大聖堂に付属する塔に登るために並んでいた時、列の前にいた、英語を話していた家族。知的な雰囲気があるお父さんとお母さん、同じく賢そうな中学生ぐらいの美少年な息子。
何が印象的だったかというと、息子がこの大聖堂やシエナの歴史についてスマートフォンで色々と調べながら、両親と一緒にシエナについて話していた姿。カンポ広場の美しさや建築物、シエナ派の絵画について、三人で対等に楽しそうに話している姿。
家族で一緒に勉強して同じものを観て一緒に感動している、そんな三人を見て、私とドンちゃんがしていることを同じようにしているんだと思いました。私たちは夫婦二人で、だけど、向こうは家族で。
同時に、子供というのは「してあげる」存在だと思っていたけれど、でも、一緒に色々なことを共有できる存在なんだ、ということに気づいた瞬間でした。「教えてあげる」「気づかせてあげる」「経験させてあげる」などなど、親になったらそうゆうことばかりなんだと疑問なく考えていたけれど、でもそれだけではなかったということに、ハッとしたのです。
つまり、家族が増えるということは、ただ単に負担が増えるということではないのだということ。もちろん実質的には負担が増えるけれど。でも、それは私にとってドンちゃんの他にもう一人ドンちゃんのような仲間(家族)が増えるということ、なんだなって思えたのです。この世界に散らばる色々な感動を一緒に一番側で感じ共有できる存在が増えること、なんだと。これは自分にとっては新たな考え方。
そして、それって、ものすごく幸せで素敵なことなのではないか、と三人家族を見ながら思ったのでした。楽しいことは1人で経験するよりも2人がいいし、2人よりも3人、4人がいいもの。この考えは、すぐにドンちゃんに話してみました。そしたらドンちゃんも同じことを思ったみたい。家族が増えることの本質。
また、私たちが訪れた時は、パリオ祭が近かったため、各地域ごとに集まり、決起集会が開かれてました(直前の二枚の写真) 各地域の旗のスカーフを纏い、それぞれの歌を歌って食事をしていた姿に、イタリアとは本来都市国家であること、地域色が強い国だということを見ることができました。なかなかよい経験だったな。
最後に、イタリア中部で地震が発生し、大きな被害が出ていること、多くの人々が瓦礫の下に閉じ込められているということをニュースで知り、胸が痛いです。家族を探す人々が無事に家族に会えること、瓦礫の下にいる人々が一刻も早く救助されること、を願うばかりです。
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