2016/01/21

たくましさ



窓を開けて吸い込んだ空気が肺を凍らせるぐらい冷たくて、家を出るのが億劫になった朝。

外はこんなに寒いのだから皆家に引きこもっているんじゃないか?と思いつつ、家を出てバスターミナルに向かいながら街を通り過ぎれば、学校に向かうも学生も、市場で準備をしているおばあさんも、タクシーの運転手も、皆いつも通りに外に出て動いていた。寒いからって日々の生活を変えることはできないということは当たり前なんだけど、でも寒い空の下動く人たちを見て、人間ってたくましいなって思いが生まれた。生命力があるというか。

たくましいといえば、弟の幼い頃からの友人。

彼は若いながらも奥さんと2人の子供がいる一家の大黒柱。高校卒業後に働き始めた町工場は不況のために、仕事量が減ってしまった。残業や休日出勤をすることで稼いでいたこともあり、それは彼にとって家族にとって大きな打撃になった。この状況を打破するために、彼は知り合いの伝手を使って関西の方で新しい仕事を探し出した。新しい仕事は一家をなんとか養えるらしい、この冬から彼は家族とともに関西に移住する。

弟の小さい頃からの友人なので、当然私も彼を小さい頃から見ている。あんな小さかった彼が今や2人のパパで、しっかりと奥さんを支えながら育児もして、さらに家族のために親戚も頼れる人もいない土地に移る決意をしたということに、私は感動を通り越して尊敬の念を抱いた。立派だなって心底思う。家族を守るために生きる彼はたくましい。そして、自分の夢だの目標だのとか言っている自分が小さくて甘っちょろく感じた

寒い寒い昨日は、用事があったので久しぶりに大学院に行った。行く前はその用事をこなすことがすごく億劫で緊張もしたんだけど、いざやってみるとスムーズに物事が進んで、終わった後は気分もスッキリ。清々しい気持ちで一人で温かいうどんをすすり、本を読みながらコーヒーを飲んで、陶芸しに向かった。やはり、やらねばならぬことはさっさと片付けてしまった方がいいな。

家に着いたのは遅かったので、ドンちゃんと二人で夕食の準備をした。ドンちゃんが刻んだ玉ねぎを私が炒め、横では引き続き包丁を握りウインナーをドンちゃんが刻んでいく。卵をとくドンちゃんの横で、私がアボガドとトマトを洗う。というように、二人でくるくると台所で踊るように料理しているみたいだった

食後にもう一度たくましい人について考えてみる。例として前述の彼を出して。核心は家族を守るではない気がする。それは外側の部分だけで、内側に何か強烈な強い光が潜んでいて、それがたくましい人の本質だと思う。その強い光を眉間にしわを寄せじーっと見つめてみたら、どうやら、受け入れる強さらいいことに気づいた。世の中にはどうにもならないことがたくさんあって、そのどうにもならないことを受け入れて前を進む強さ。これかもしれない。これだ。だとすると、私はたくましい人になれるかもしれないと思えた。いや、難しいかも。だって、どうにもならないことをどうにかしようとするのが普通だから。

まずは、寒い今日も元気に光州まで出かける、寒さはどうにもならないから。


写真は最近読み始めた、インド出身の文豪サルマン・ラシュディ―のムーア人の最後のため息。冬休みに読もうと大切にとっておいたの。



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